ラバーナは、生活空間に連れていき、風呂場で意識を失ったティエリアの体を洗ってやった。 もう、完全にティエリアは意識を失って、おきようともしない。 「うわ、濃いわぁ。ネイったら、私とのときはいつも一回で終わらせてたのに・・・この子からは、ネイの匂いしかしない。何度も抱いたのね・・・ちょっと羨ましいわ。ネイに愛されるだなんて」 秘所から体液をかきだす。かきだしてもかきだしても、白い体液は溢れてくる。 ラバーナは、仕方なしに不得意の、浄化の精霊を呼び出して、ティエリアの体からネイの名残を取り除くが、ティエリアからはネイの匂いがした。 「ネイの匂い・・・懐かしい・・・お日様の匂い」 ラバーナは、ティエリアの首に手をかける。 ぐっと、力をこめる。 嫉妬。猛烈な。血の神、ネイを手に入れた永遠の愛の血族が羨ましい。 自分では、どんなに望んでも手に入らなかったもの。 「おいラバーナ!何ばかな真似してやがる!」 「インキュリアス・・・・使い魔で見張っていたのね。卑怯よ」 「アホか!その中性殺したら、ネイは暴走するぞ。お前を殺して、それだけでは飽き足らず自分がつくったブラッド帝国も壊すだろうよ」 インキュリアスは、魔法でティエリアに真っ白な服を着させると、そのままロックオンが寝るベッドの隣に横たえた。インキュリアスは、魔法でロックオンの体を清めてたやった。 ロックオンは真っ裸のままだが、一応毛布をかぶせてやった。 「うーんむにゃむにゃ・・・ティエリア愛してる。愛してるぜ・・・・」 手を伸ばして、腕の中にティエリアをいつものよう抱き込む。 「何が愛してる、だこのくそネイが!俺抱いた時だって、ほかのどの種族恋人にして抱いた時だって「愛してる」なんて絶対言わなかったくせに!くそ、全部ネイが悪い。かわいそうに、中性だとあいつの性欲につきあうのもきついだろうに」 そのまま、ロックオンとティエリアは一週間目覚めなかった。 インキュリアスは、二人を人間世界に戻した。 「主・・・起きてくれだにゃ。ロックオンはもう起きてこなくていい、このまま死んでろだにゃ!!」 インキュリアスから事情をきいた、残されていたフェンリルは、ペロペロとティエリアの手をなめる。 ロックオンが起きたのは、次の日。 ティエリアは、変わらず眠ったまま。 「このエロ魔人め、主が起きてこないのにゃ!やりすぎって、インキュリアスってのが言ってたにゃ!」 ガジガジと頭をかじるフェンリルに、ロックオンはすまなさそうに頭を下げる。 「ああ、やりすぎた・・・暴走しかけた・・・やべー。今回ばかりは俺が悪い」 「いつもだろうが、にゃ!」 「ティエリア・・・迎えにいくよ」 眠ったままの中性の神子の意識の下にもぐりこむ。 「ティエルマリア、ティエルマリア・・・・あーんあーん。ティエリマリア、どこー?ママ!!」 幼い姿のティエリアが、白い花畑を走っていた。 そこに、ロックオンは舞い降りる。 「きゃあ!いやあああ!!」 ティエリアは、ロックオンに驚いて必死に逃げ出す。 「おい、ティエリア!!」 「いや!あなた、僕を壊すからいや!!」 必死になって逃げ出すティエリアを、捕まえて抱きあげる。 「愛してるって言ったのに!僕を守るっていったのに!僕を壊さないって言ったのに!ロックオンの嘘つき!!」 「嘘じゃねーよ。お前を守る。愛する。壊さない」 「僕を壊しかけたくせに!」 「ちゃんと、目覚めた。暴走しなかった。お前を壊さなかった」 「あなたなんて嫌い!」 その言葉に、ロックオンはエメラルドの瞳からボロボロ涙を零して泣き出した。 「すまなかった。俺を嫌いにならないでくれ。愛しているんだ。お前だけしか、俺にはいない。お前だけが、俺の全てだ」 ロックオンは、心臓以外の・・・・ヴァンパイアの核(コア)を、ティエリアの前に差し出す。 それは、トクントクンと脈打っていた。 「俺が許せないのなら、お前が殺してくれ。コアはここにある。お前の手で罰してくれ」 「ロック・・・オン」 ティエリアは、戸惑ってロックオンの涙を舐めとる。 「ロックオンのコア・・・・綺麗・・・・」 エメラルド色に耀く、ロックオンの魂そのもの。 コアを傷つけられれば、ロックオンはネイとしての存在もなりたたなくなり、転生もできなくなる。 ティエリアは、元の17歳の姿に戻って、そのコアを目の前にもってくると、口付ける。 「あなたを許します。許すことも、愛することには必要だ。あなたを罰することは・・・しますよ。しますとも。当たりまえでしょう!!あんなに僕を犯して!!」 ティエリアはプリプリと怒って、ネイのコアをその手に持ったまま、現実世界に戻ってしまった。 「ちょ、ティエリアー!!まさかの放置プレイ!?」 ロックオンは、ティエリアの深層意識の中で、涙をふきとって、そして覚醒した。 NEXT |