血と聖水\「絶対者アクラシエル」







ティエリアは、上機嫌だった。
「ららら〜」
歌を歌いながら、キッチンで料理をしている。
「にゃー。いい匂いにゃ」
「もうすぐできるから、ロックオン起こしてきて!」
早朝に起きたティエリアは、昨日から仕込みをしていた料理を作り上げていく。

「よー。おはよう」
ぼさぼさの頭で、ロックオンが起きてきた。
「頭ぼさぼさですよ。もう、ちゃんと髪とかして顔洗って来てください!」
「はいよ」

結局、ティエリアはロックオンに根負けしてコアを返し、半月だけSEXなしということで折半した。
「ららら〜にゃ。主・・・・どこ見てるにゃ?」
「ん・・・なんか、呼ばれた気がして」
「誰もいないにゃよ?」
「うん、おかしいね?」

ティエリアは、朝刊を見る。
「え・・・未知のウィルスでの奇病流行?死者は5千人以上って・・・・僕たちがいった健康ランドのある隣国じゃないか。物騒だなぁ」
「しっかりしろにゃ!このエロヴァンパイアめ!」
フェンリルは、ロックオンに猫パンチを決める。
「ふあーあ」
ロックオンも朝刊を見る。だが、顔色一つ変えない。
「北の国では死者が六万人をこえたとかで・・・最近、異常気象とかが多いですね」
「そうだな」
「あ・・・・それと、僕にインキュバスの呪いをかけたロードヴァンパイアですけど、自害したそうです」
「ヴァンパイアが自害?そんなことあるのか?」
ヴァンパイアが自ら命を絶つことなど、まずない。
「よほど・・・血族の友を愛していたのでしょうね。エタナリア六区の住民たちが見ている前で、自分の心臓に銀の短剣を突き刺した上に、首と胴と魔法で切り離したそうです」
「そうか・・・・」

ロックオンも、ティエリアに呪いをかけたホークアイを殺そうか迷っていたところなので、いらぬ手間が省けたといったところか。
「 (>'A`)>ア゙-ッッ!!」
ロックオンが踊りだす。
「 (>'A`)>ア゙-ッッ!!だにゃ!」
フェンリルまで。
「・・・・・・・顔文字ロンド・・・治らないね」
「└(゚∀゚└)ハッスル!ハッスル!!(┘゚∀゚)┘ ハッスル!ハッスル!! 」
「ロックオン・・・」
毎朝、こうして踊りだす。楽しい光景だが。
「右に(_´Д`) アイーン 左に(´Д`_) アイーン 」
「コノコノォ♪ (">ω<)っ))だにゃ!」
フェンリルは、二本足で立って、器用に踊っている。

「あれ?なんか僕・・・・誰かに呼ばれた気が」
ロックオンは、踊ることをやめてティエリアを腕の中におさめる。
「ロックオン?」
「お前は俺のものだ。使徒なんかにさせるもんか」
「使徒って?」
「いや・・・なんでもない」
唇と唇を重ねる。

「ネイ・・・・・どうして邪魔をする?私は間違っているのか?」
空間の歪から、真っ黒な12枚の翼が羽ばたいた。
「そうか・・・僕を呼んでいるのはあなただったのだ。マイロード」
ティエリアは、その12枚の翼をもつ者に柔らかく微笑む。

現れた絶対者は、オッドアイの瞳の縦長の瞳孔を収縮させた。
「私は間違っているのか?でも、もう止まらない。ルシエードは私を絶対者にした。世界の時は動きだした。砂時計に落ちた砂は、上にはあがらない。そうだろう、ネイ?」
バサリと、羽ばたく12枚の黒い翼。長い黒い髪。青みがかった紫と、緑のオッドアイ。
ネイと同じく、神格を持つ神。

創造神ルシエードが選び愛した我が子である、絶対者。ティエリアと同じほどに美しい、いやそれよりも上か。美しすぎる美貌。
「ネイ。私を抱いて愛してるといったのに、君は。私が父様に犯されているのを知った君は・・・・父様と争いになるを避けるために、私を捨てた。そして、初代の君は妻子をもち、転生を繰り返してまた妻子をもち・・・・転生しても私のもとに帰ることはなく・・・。そして今、君はこんな使徒の中性を愛しているというのか。アレルヤが言っただろう。あの子はもう使徒としての覚悟を持っている。この子はまだないけど・・・・君は、私を愛しておきながら・・・一度血族に迎えておきながら放棄し、そしてこの子を永遠の愛の血族に迎えた、報いを受けるときがきたよ。この子は私が貰う」
絶対者、神アクラシエルはティエリアをその翼で包み込んだ。
「やめろ、アクラシエル!!俺は、お前がルシエードに汚されているからお前を捨てたんじゃない!ルシエードがお前を愛しているから、身を引いたんだ!!」
「父様に愛されて・・・・ああ、愛されているよ。愛されて・・・・愛されて、私は壊れた。中性は、愛している者以外に抱かれると壊れる。私はもう壊れている。この使徒は私が覚醒させてあげる。君を殺す使徒にしよう・・・・楽しいね、ネイ。愛し合っている者同士、殺しあうといいよ。報いを、私を愛しておきながら血族を放棄した君に相応しい報いだ。ねぇ、ティエリア?」
絶対者アクラシエルは、ネイの叫びを完全に無視して、ティエリアを翼で抱き込むと、黒い光で包み込む。

「ティエリアーーー!!」
ホームから忽然と消えてしまったティエリアに、ロックオンが叫ぶ。
「アクラシエル、殺すなら俺を殺せ!!ティエリアを巻き込むな!!」
ロックオンの魂の絶叫は、だけど届かない。

さぁ、楽しい時間の幕開けだ。
砂時計からサラサラ砂は零れ落ちていくよ。

教皇アルテイジアはネイに言った。ティエリアを永遠の愛の血族にした報いがいつか訪れると。
さぁ、報いを受ける時がやってきた。
愛を壊しあうといい。

ティエリアは、闇の空間で銀の短剣を取り出して、それで自分の手首を浅くきり、アクラシエルに血を与える。覚醒した者が、手駒となる契約だ。
「ネイ。僕を汚した、僕を血族にした報いを受けるといいよ!僕はティエリア、アクラシエルの使徒!」
ティエリアは、自らネイの血族を放棄した。
翼が真っ白な六枚の皮膜翼が消え、代わりにアクラシエルと同じ12枚の黒い翼が生える。

使徒「ルシフェル」が誕生する瞬間。

ティエル王国の女王、ティエルマリア二世はその時、自分の大切な姉が壊れていくのに気がついた。
「ティエリア!?」
世界が、変革の時を向かえる。
ティエル王国は、災害によりその日十二万人以上の命を失った。
災害を生き抜いた者は語る。紫紺の髪に、金色の瞳をもち、背中に12枚の黒い翼をもった美しい堕天使ルシフェルが降臨したと。そして、その隣には青みがかった紫と緑のオッドアイに、長い黒髪をもつ、美しすぎる神がいたと。12枚の翼をもつその容姿は・・・伝承の創造神ルシエードの子、無の神アクラシエルの姿そっくりであったと。

さぁ、楽しい時間の幕開けだ。
ネイ、ティエリアを永遠の愛の血族にした報いを受ける時が、今、きたのだ。
殺しあうといい。愛し合った者同士で。
砂時計に滑り落ちた砂は上に戻らない。時間も戻らない。真実は変わらない。
報いを受ける時は、すぐそこまで忍び寄ってきていた。

                To be continuted............
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あい?
(>'A`)>ア゙-ッッ!!
18菌に洗脳された冬葉マサヤです。
はじめは外伝だった・・・ウエマ(友達)にいわれて\、本編の続きにしてみた。
笑いあり、戦闘ちょっと、伏線はって・・・・初の続く!
(>'A`)>ア゙-ッッ!!
リエット・ルシエルドとウエマはROの世界に存在します。シェゼルも。
私のハイプリースト99とウエマは99のハイウィザード。

神々の指差す未来。
ネイは血の神。さぁ、ノベライズのような展開になってきた。
ヴァンパイアハンターな物語はどうなるのか。
俺もわかんないw