「ティエリア。また読書か?」 ティエリアは、また読んでいた。 北斗の拳を。 表紙にカバーがされてあるので、ロックオンはいつもの何かの小説かと思っていた。 違う、文庫コミクッスの北斗の拳全シリーズ読破中。 ついには外伝までネットで取り寄せて読むほどに愛読してしまっている。 構ってもらえないロックオンは、ジャボテンダーの手をふりふりさせながら、ティエリアにちょっかいをかける。いつもそうすれば、ティエリアは読書をやめてロックオンに構ってくれた。 「ラオウ〜〜!!!」 「びでぶ!!」 ティエリアは変な言葉をいって、ロックオンのヒコウをついた。 いや、ついたっていうか、手刀を首筋に叩き込んだだけなんだけど。ロックオンものりがいい。 読んでいたコミックが北斗の拳だとわかって、・・・・というか、ロックオンの悲鳴ってよくびでぶ。北斗の拳のザコキャラおきまりの断末魔だ。 「いてえええ!!ティエリア、ギブ、ギブ」 「お前のヒコウをついた、お前はもう、死んでいる」 ロックオンを指差して、ティエリアはケンシロウのお決まりの台詞をいう。 「そんなはずは・・・・・NOOOO!!」 ロックオンものりがいい。 やられたふりをして、床に倒れる。 「ロックオン。ジャボテンダーさんの名前を黒王にしようかな。それともユリアに改めて・・・」 「いやいや。後で後悔するぞ」 「そうですか?」 「うん。絶対後悔するから」 ティエリアは、ジャボテンダーの名前をユリアに改めた。 そして、北斗の拳にあきた3日後には、名前をかえたことを後悔した。 とうのロックオンは、今頃になって北斗の拳にはまって、ティエリアが集めた漫画を読んでいるのであった。 そして、ティエリアにジャボテンダーで構っての攻撃をされて、「死兆星が見えた・・・」とか言うのだ。 ティエリアとロックオン、この二人、案外ハマりやすくてのせられやすい。 でも冷めるのもはやい。 |