「それではお元気で、ネイ様、ティエリア様」 皇帝に別れを告げて、飛行船に乗り込む。 皇帝は、飛行船乗り場まで見送ってくれた。 皇帝とその身辺を守る帝国騎士たちに手をふって、乗船するとそのまま出発する。 帝国にいた帰還は半月。短いようで長かった。 カシナート王はフレイムロードの国での謹慎処分があるため、見送りにくることはなかった。 ホームに戻ると、帝国にいる間中構ってやれなかったフェンリルがやたらと甘えてきた。 「主〜。もうべったりにゃ〜。離さないにゃ〜」 「俺も混ぜてくれ」 「しっし!ロックオンはあっちいけだにゃ!お前なんてゴミだにゃ!」 「ひでぇ!」 「ロックオン。今回はフェンリルを放置しっぱなしだったので。ということで、フェンリルとデートいってきます」 「俺また放置プレイ!?」 「はい、そうです」 にっこりと笑って、ティエリアはロックオンを放置してフェンリルを頭に乗せると出かけた。 しっかりと鍵をかけて、二人でららら〜と歌いながら太陽の下を歩く。 「フェンリル、どこにいきたい?」 「そうだにゃぁ。健康ランドいこうかにゃ」 「そうしようか。あ、シャンプーとか置いてきちゃった。まぁ、かっていけばいいか」 新しくできた、ホームの近くの健康ランドに二人で入る。 「はい二名様ご案内〜だぜぇ」 「・・・・・・・何してるの、リエット」 リエット・ルシエルド、皇帝の姉姫が健康ランドの受付係りをしていた。この獅子姫は、何処かに行った思ったらなんかのバイトしてたり、やばい商売してたり・・・・絶対、聖職者じゃない。でも聖職者。 「あ?見てわかんね?ただのバイト」 「ハイプリーストの仕事は?」 「飽きたからしばらくおやすみ。ここ給金いいんだよな〜。特別料金で、俺は癒しの魔法使ってこった肩も体もすっきり!聖書読むのはさらに別料金!賛美歌も別料金。祈祷も」 「もういいから。僕たち、普通に温泉に入りにきただけだから」 「おう、温泉+俺様コースな。全部で120万リラだー!」 「何その値段!ぼったりくもいいとこじゃないの!」 「はっはっは。なんぜ俺ホワイティーネイのハイプースト、絶滅危惧種なんだ。金ないなら、特別にリラ金貨が降ってくるぜ」 「え?まさか」 「おーい、アクラー。金貨降らせてくれ」 アクラシエルは、リエットと同じで健康ランドの制服をきて、そしてぶつぶつと呪文を唱える。 「無から有を」 じゃらじゃらと、リラ金貨が空中から降ってきた。 「ありがとーございー」 リエットが金貨をかき集める。 「アクラ、困っているなら金貨降らすんだよ。でも金あると降らさない。だからバイトで俺コースでみんな料金120万にして、・・・・・うけけけ、俺金ざっくざく。まぁ、3割はここの健康ランドが取り分なんだけどな。場所使わせえてもらってるしなぁ。でもざっくざく。もう3400万リラたまったぜ!」 「そうですか・・・・僕は、普通に温泉入ってくるよ」 「あにゃー。アクラ悪用してるリエット、悪なのにゃー」 「おいおい。俺コースだから、温泉入った後は俺の魔法うけてそのあと聖書読んでやる。賛美歌も歌ってやるし、祈祷も」 「いらないから!いらないから!!」 「遠慮すんなって!」 リエットは、笑顔で本当に俺様コースをふるまってくれた。 その音痴な賛美歌に、ティエリアもフェンリルも目を回した。 「なんて音痴なのにゃ・・・・すごい音痴にゃ。音痴の世界大会開くとリエットが優勝するにゃ・・・」 「おい褒めるなよーてれるなー。もっかい歌おうか?」 「いらないにゃー!ぎにゃあああああ」 「僕もいらない!!」 癒しの魔法とかいわれて、足の裏こそばされたし。これ魔法じゃないよ。 最後は祈祷とかいって、リエットが客のマッサージをしていた。これは良かった。おかげで体が寛いだ。どこが祈祷なのか分からないけど、これだけは良かった。あとは最悪だった。 まぁ、お金はただなんだし、こんなのでもいいかと思った。 やがてアクラシエルの金貨を降る魔法が、その日の一日のそこをついたらしくて、商売も終わった二人はティエリアとロックオンのホームにあがりこんで寛いでいた。 「あれって、悪徳商売じゃないの?アクラ利用して」 「アクラがいいって言ったんだぜ?あとで請求書ちゃんとくるからさ」 「ちょ!請求書!?ただじゃないの!?」 「ただではない。請求書は、使用した者にはいかないので安心してくれ。創造神ルシエードに請求書送りつけたから」 シーン。 怖いものしらずって、このことだろうか。 よりによって、創造の神に請求書を送る精霊。 「全部で1億2456万リラ。ルシエードの口座から引き落とす」 「え、あの神様口座もってんの?」 「そりゃこの世界を創造するのに大金いるから。お金で足りない魔力買って創造してるんだから。貯蓄は数え切れない」 「どんな神様なの・・・・アクラもおかしいよ。この世界僕には理解不能なことおおい・・・ああ頭痛くなってきた。フェンリル、ちょっと早いけど寝ようか」 「そうするにゃー」 「俺はどこまでも放置プレイ!?」 ロックオンは、どこまでも放置されていた。 「まぁまぁ、ロックオン。俺が賛美歌歌ってやるよ。アクラも一緒にな」 「歌おう」 ほげ〜〜〜♪ ほげほげほげ〜〜〜♪ 美しいハイプリーストと精霊は、とても音痴だった。 ロックオンはそのいかれた歌声に、逃げようとしたがリエットが椅子にロープでロックオンをくくりつけて、喉自慢大会なんかやり出すので、次の日起きるとティエリアは真っ白になったロックオンに驚くのであった。 ちなみに、アクラシエルとリエットは酒のんで、床で転がって寝ていた。 血と聖水フレイムU The End Presented by Masaya Touha *************************************** 前後に別れた章でしたがこれにて終幕。 ちなみに、この現在のシリーズは名前はでてきてないけど、セカンドシーズン開始までのホワイトのシリーズになります。 これとか一応本編。外伝っぽい本編。外伝なのか本編なのかわからない。 どっちでもいいやw 次回は、外伝「魔女と吸血鬼」ほんわかラブコメ?でお会いしましょう! |