星の悲鳴が聞こえる。軋んでいく心のように崩れていく幻想の光たち。 一度星のようにめざし、集まった光は指から零れ落ちていく。 どうしてだろう。 人の意思とは、こんなに儚いものなのだろうか。 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・ばれよ」 「え」 ティエリアは背後を振り返った。 誰もいない。 でも、確かに聞こえた。 がんばれよって。 掠れていたけど。小さかったけど。 確かに、あの人の声だった。 「届いていますか。星のように光は消えていく。でも、そこからまた再生がはじまるんです」 ティエリアは、人工の蒼白いライトで目の奥の石榴色の瞳を、天に向けると祈った。 「一緒に、いきましょう。歩いて。貴方は完全に消えたのではない。僕の心の中に、思い出に、記憶の中に、僕の側にこんなにもあなたがいる。光を、集めに歩きだそう」 ティエリアは、歩き始めた。 一度崩れたCBを、また。 零れ落ちていく光を集めるために。 星は軋んだ悲鳴をたてる。でも、またはじめればいい。 幻想の雫の「彼」は、がんばれとまた声をかけた。 そしてティエリアの手を握って、一緒に頑張ろうと。 ティエリアには見えないけれど。届かないけれど。 君は、一人じゃない。 |