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「このエプロン着てみてくんね?」
「はい?おやすい御用ですが」
ティエリアは、ロックオンがカレーを作った時にきていたエプロンを受け取ると、そのまま着用する。フリルやらレースがいっぱいの真っ白なエプロン。
正直、そのエプロンを着用していたのを見た刹那とアレルヤは心の中でどん引きしていた。
ロックオンって・・・・・。
でも、持ち前の明るさから、みんな見なかったことにしていた。
ティエリアも、見なかったことにしていた。
しっかり目に焼きついていたが、見なかったことにするしかなかった。
アイリッシュ系の顔立ちがくっきりした、柔らかな茶色のウェーブがかかった髪とエメラルド色の瞳が特徴のロックオンは、とにかくかっこいい。女性の視線を惹き付けてやまないほどに。
アレルヤは優しさの穏かな性格が滲み出ていて、アレルヤはかっこいいけれどどこかかわいいかんじがする。
とにかく、ロックオンはかっこいい男性。
そんな男性がフリフリのエプロン着ていたら、そりゃ普通は引く。
似合わないことこの上ない。
「あ、できれば下のズボン脱いで半ズボンに着替えてきて。上はこの前買ってあげたキャミソール着て」
「はい、分かりました」
エプロンをを脱いで、キャミソールに着替え、ティエリアは着替えを取り出すと、ズボンを脱いで半ズボンになると、その上からエプロンをつけてロックオンの前に再度現れた。
「おおおおお・・・・・裸エプロ」
そこで、刹那がスリッパでロックオンの頭をはたいた。
「お前は!ティエリアに何をさせているか!」
「本当に、むっつりスケベなんだから!」
アレルヤも怒っていた。
でも、アレルヤはすぐに鼻血を出して床に沈んだ。
ロックオンはすでに鼻血の海に沈没している。
刹那は、ふるふると紅くなって、ティエリアからふりふりのエプロンを問答無用で脱がせた。
「あ、何を。ロックオンが、着てくれといっていたのに」
「お前のその格好には問題がある!裸エプロンという、萌えの一つに見える」
「そうなのか?でも、それがなんの問題があるというのだ?私は、別に裸になることを恥ずかしいとは思わないが」
「少しは恥ずかしいと思え」
刹那はため息をつく。
このティエリアというかわいくおかしな生物は、根性が漢なのだ。
そう、裸になることに少しの恥じらいさえ見せない。
ロックオンの前では果てしなく乙女になるというのに。
「悪は退治した。その格好では寒いだろう。俺の服を着るといい」
「ありがとう、刹那。刹那は優しいな」
にっこりと、ジャボテンダーを抱きしめて微笑まれて、その綺麗な笑顔に刹那の心拍数があがった。
「それから・・・カレーおいしかった。お前も一緒に作ったんだろう?」
「あ・・・おいしかった?良かった。私がつくるとすごい味になるので、ロックオンに後半は作ってもらったんだ」
「散歩にいこうか。ジャボテンダーも連れて」
「本当に?」
「ああ」
「嬉しい。刹那からそうやって誘ってくれるのは珍しいから」
鼻血の海に沈んだ大人二人を放置して、子猫二人は散歩に出かけた。
年少組は、仲が悪そうで仲がいい。
それはとてもいいことだと、ロックオンもアレルヤも、聞き耳をたてながら気絶したふりを続けるのでああった。
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