「どうした刹那!」 ニールが扉をあけると、そこには顔を紅くした刹那が唇を手の甲でごしごしと擦っていた。 「ハム仮面に、何かされたのか?」 床で伸びているハム仮面をとりあえずみんなで踏んづけてみた。 「帰る!!」 「おい、待てよ刹那」 「刹那」 マイスターのみんなで刹那を追いかける。 刹那の鞄はアレルヤが持っていた。 リジェネは携帯で待機していた高級車を呼び出し、学園内の敷地にくるように呼びかける。 「じゃあ、さよなら。また明日ね」 「いつもアレルヤがお世話になっています。また明日」 彼女のマリーとアレルヤは、電車通学なので駅まで歩いて帰っていった。 刹那は、ふてくされて高級車のソファベッドに横になっていた。 「どうしたんだ、刹那は」 「まさか、ハム仮面に唇奪われたとか?」 ライルがからかい半分にそういうと、ジロリと真紅の瞳で睨まれた。 「こええ・・・」 今日は、ティエリアもリジェネも同じ車に乗っていた。 「・・・・・・だったのに」 「え?」 みんな聞き返した。 刹那は、悔しそうにソファベッドにあったクッションに顔を埋めた。 「誰とも、キスなんてしたことなかったのに!」 「うわ。まじでやられたのか」 「刹那、元気だしなよ」 「フェルトだって、最初の相手はフェルトだと決めていたのに。くそ、あのハム仮面。明日殺す。あさっても殺す。しあさっても殺す。その次の日も」 「殺しまくりだな」 刹那はまだ16歳の少年なのだ。 そりゃ、初キッスに憧れるものもあるだろう。 ちなみにニールもライルもティエリアもリジェネもみんな初キッスなんてすましている。ニールはティエリアと、ライルは彼女のアニューと、リジェネは同じ双子であるはずのティエリアとそりゃ頻繁に子供の頃から、ディープキスだって何度もしている。ニールが教えるまで、双子の兄弟でディープキスはおかしいと知らなかったティエリア。それを教えたとき、ニールはリジェネにボコボコにされた。 「それではさようなら、マリナ先生」 「ええ、さようなら、グラハム先生」 グラハム先生は、ママチャリに乗って口笛を吹きながら帰宅した。 「頬を染めて乙女のようだ。ああ、ついに少年とキスをしてしまった。少年の唇柔らかかったなぁ。顔真っ赤にしてかわいかったなぁ。おっと、想像で私のあれが勃起してきてしまった。いけないいけない」 グラハム先生は、高級マンションに一人暮らしで、わりとけっこうな金持ちだった。 親は、違う私立学校の理事をしていて、本当ならその補佐の仕事をすべきなのだが、少年に惚れて知り合いの理事の息子だという、手を出し損ねたリボンズ・アルマークという少年に頼んで、私立ガンダム学園の教師にしてもらった。教員免許はすでにもっていた。誰だ、こいつに教員免許あたえたのは。 ハム仮面はトイレにいった。 「おおおお・・・・くだしたああ・・・・」 ぐるぐると腹がなった。 刹那の初キッスを奪った天罰でも下ったのだろうか。 「む。この、この手は洗わない・・・・と決めた、少年と握手した右手に・・・・うんこついたあああああ!!」 ハム仮面は、うんこがついた手を、結局洗わなかったが、次の日少年に避けられることを哀しんで、朝、ごしごしと白いしみがついたパンツと一緒に洗ったそうな。 このハム仮面がいる限り、ガンダム学園に通う刹那だけでなく、ニール、ライル、ティエリア、リジェネ、アレルヤに平穏はない。 私立ガンダム学園X The End ************************************************* こう。シリアスとギャグの差が激しすぎる。 つかギャグシモネタが炸裂しまくり。 もうこの路線でーごーごー。 |