夕飯までには、リジェネは帰ってきた。 みんなで、シェフ長の作った夕飯を食べて、そのまま夜が更けていく。 ティエリアの部屋に集まって、みんなでごろごろしていた。 格闘ゲームをして、リジェネはニールに負けた。 「ふふふふ。ティエリアと一緒に寝るのは俺だ!」 「ぐぬぬぬぬ」 いつもはリジェネと同じベッド寝ているティエリアであったが、たまに恋人のニールと同じベッドで眠る。両親も黙認している。 ただ同じベッドで眠るだけなのだから。 ライルと刹那は、早めに引き上げた。 「ふふふ。ガンプラと夜を共に」 刹那は、いつものようにガンプラにまみれて寝るのだろう。 結局、リジェネは引き下がらず、クィーンサイズのベッドで、ティエリアを中心の川の字になるようになって寝た。 「ふがー」 ニールの足が、リジェネの頭を蹴った。 「なんて寝相が悪いんだ・・・・」 問題のティエリアは、ニールの顔を蹴って、それからベッドから落ちていた。 「ティエリアの寝相の悪さに比べれば・・・・・ふふふふ・・・・鍛えられた僕は、この程度ではへこたれない」 ティエリアは、ベッドから落ちる前に、ニールをベッドから蹴り落としていた。リジェネはティエリアをベッドに抱き上げると、寝相の悪さで蹴られるのもものともせず一緒に眠った。 「ああああ!リジェネ、お前蹴落としたな!」 朝になって、ベッドの下でぐーぐー寝ていたニールは、リジェネに詰め寄ったが、リジェネはせせら笑う。 「ふん、僕からティエリアをとろうなんて200万年5461年と4ヶ月23日14時間16分1秒、コンマ00005早いよ」 「「細か!!」」 ティエリアもニールもつっこんでいた。 「さて・・・・今日は、釣り大会だーー!!」 昼食が終わると、リジェネは嬉しそうだった。 毎年、この南の島にくると釣り大会を行うそうである。 こうして、皆は船の上の人となった。 「は、はははははは!!見ろ、もう釣れたぞ!」 ニールが喜ぶ。 小さな小さな魚だった。 「小さい。見ろ、僕はサメを釣った!!!」 どうやったら釣れるんですか。 そんなつっこみをいれたい、巨大なホオジロザメが、甲板に上がっていた。暴れるのを防ぐために、もう息の根は止めてある。 「お、俺も釣れた」 ライルは、カジキを釣り上げていた。 無論、手伝ってもらってだが。 「僕もつれたよー!!」 ティエリアは、変わらず背中にジャボテンダーを背負って、釣れた獲物をみんなに見せる。 「タコだね」 「タコだ」 「タコかぁ」 ほんわかと、みんなで和む。 だってティエリアの笑顔があんまりにもかわいかったから。 「タコさんタコさーん」 ティエリアも嬉しそうだった。 大物用の釣りで、どうすればニールのように小物が釣れるのか、そしてティエリアのようにタコが釣れるのか謎だ。 「でも、ここらホオジロザメがいるんだな。泳ぐの危険かも?」 「大丈夫。ネットはってあるし。それに、サメだって人を襲うことは滅多にないよ〜」 刹那は、一人何も釣れずにいた。 「エサかえれば、刹那」 「ああ。このガンプラでは釣れないようだ」 刹那はエクシアのガンプラからダブルオーライザーにエサをかえて、再びチャポンと海の中に浮きを戻す。 そんなんで、釣れたらすごいよ。 一同、沈黙していたが、刹那の浮きがぐぐっと海中に引きずられていく。 「かかった!」 「「「嘘!!!」」」 でも、そのひきはどう見ても大物。 刹那はリールを巻いていく。波に、金色が見えた。 金色の熱帯魚か?と思ったが、プカプカ浮かぶそれは髪の毛だった。 「釣れた!ハム仮面が釣れた!!!どうすればいい、どうすれば!!!!」 ダブルオーライザーのエサを口にくわえて、ハム仮面は波の間を漂っている。 「捨てるしかないよ!!」 「捨てろ、刹那!」 「そもそも、なんでハム仮面が南の海にいるー!?」 最もな刹那の意見。 ハム仮面は、いそいそと自分から船の上にあがってきた。 みんな、後退して威嚇する。 NEXT |