「ロックオン・・・これあげます」 ちょっと曲がったジャボテンダーを抱いて、ティエリアは頬を染めていた。 「どうした?」 「その・・・あげます!」 ティエリアはジャボテンダーをロックオンに押し付けて走り去ってしまう。 「なんだ、これ?」 ジャボテンダーなのはわかる。いや、大きさからしてサボテンダーか。 ところところ糸が飛びだして、目のボタンなんて今にも外れそうだ。 家庭科全般の苦手なティエリアにしては、よくできたほうだろう。 「俺につくってくれたのかな?あんなに頬染めて・・・かわいいなぁ」 ビヨヨーン。 ジャボテンダーの目玉のボタンが飛び出した。 「うお、どういうしかけになってるんだこれ!?」 そのままビヨヨンと飛び出した目玉をなんとか元の位置に戻して、ロックオンはティエリアが作ってくれたジャボテンダーの縫いぐるみを自分のベッドの棚に飾った。 その日ティエリアが読んだのは女性向けのファッション雑誌。 愛しい人に、手作りの何かをあげるといいことあるよ。 運勢にそうでていた。 なので、前からこそこそと隠れて作っていたジャボテンダーの縫いぐるみをあげてみた。 「はぁはぁ・・・・ミッションクリア!!!」 まだ頬を染めて、乙女の顔でばふっとクッションの顔を埋める。 かぁぁぁ。 まだ心臓のドキドキが止まらない。 「こ、これで・・・・ロックオンは僕にメロメロ・・・の、はず」 ロックオンがいたら、笑うだろう。 そんなことしなくても、俺はお前にメロメロだよ、って。 ********************************* ミホリ様へ。ジャボティエ+短文! |