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「んー?」
朝刊をとりにいったロックオンが見つけたのは、年賀状。
「なんだ、年賀状か」
日本の習慣には疎いが、それなりに有名どころは知ってはいるロックオン。
見つけたのは隣の住人が出したとおもわしき、刹那宛ての年賀状1枚ともう2枚。
「あれ・・・これ」
みつけたのは、ジャボテンダーさんシールが切手のところの下にはられた年賀状と普通に切手がはられた年賀状。
ちゃんと郵便局に届いて配布されたものだ。
綺麗な文字でロックオン様へと書いてある。
「かわいいな、あいつら」
ロックオンはニマニマしながら、3つの年賀状をとって朝刊もとって家の中に戻る。
差出人のところには、ティエリア・アーデと名がかいてあった。もう1枚は刹那・F・セイエイ。
あの年少組二人は子猫のようにかわいい。こんな風に、気を配ってるくれるところなんてかわいいにつきる。
時には悪戯もするけれど、頭をなでなでしたくなる。
「刹那のは・・・・・・あとでスリッパではたくか」
刹那の年賀状は裏に2文字。
逝け!
ある意味刹那らしい。あの悪戯小僧がと、すでにロックオンははいていたスリッパを右手にもっている。
いつでも刹那に遭遇してもいいように。
「ティエリアのは・・・・あれ・・・・裏なんもかいてねぇな」
何度も確かめるが裏は真っ白。
「ロックオ・・・・うお、やば!」
逃げ出す刹那。ロックオンは手を伸ばして、刹那の手をとって引き寄せる。
「刹那みーっけ♪」
スッパーン!
笑顔でロックオンはもっていたスリッパで刹那の頭をはたいた。
「くそ、覚えてろ!今年は俺がガンダムだ!お前なんてグラハムにピーでピーされてしまえ!!」
刹那は頭のピョンピョンはねた髪を手でおさえながら逃げ出した。
「グラハ・・・・う・・・」
嫌な記憶が蘇る。
その頃、グラハムは忘年会でフルチンになって踊っていた。
「あーなんか寒気するぜ」
「あれ、ロックオンどうしたんですか?」
「あーアレルヤ。いやな、刹那とティエリアから年賀状もらった」
「へぇ・・・・僕のところにも届きましたよ」
アレルヤが部屋から2枚の年賀状をもってくる。
裏にはティエリアのやつは「あけおめことよろ、空気脱すべし」とかかれていた。そして刹那のは「空気あけおめお年玉いっぱいくれ」とかいてあった。
すでに空気って文字に抵抗感もなくなっているアレルヤ、やべぇとロックオンは思った。
「ティエリアのが裏真っ白なんだけど・・・・書き忘れたのかな?」
「あ、きっと」
アレルヤが耳打ちする。
コンロの火で軽くあぶってみればいいと。
レモンの汁かなにかでかかれてあるのかもしれないと、アレルヤが言ってきた。
その通りコンロの火であぶってみると、文字が浮かんできた。
「ロックオン、あいらぶゆー、世界で一番大好きです。ちゅv」
「うおおおおおおおおおおおお」
キッチンからロックオンの咆哮が聞こえた。
ちなみに、ティエリアはこんなのきっとばれることなんてないだろうと、悪戯心も満載で恥ずかしい言葉を書いていた。まさかこんなにも簡単にばれるなんて、ティエリアも思っていなかっただろう。
アレルヤに知恵をかしたのはハレルヤ。ハレルヤの勝利がロックオンの勝利に繋がった。
そして、ロックオンの大声に刹那もアレルヤも驚いてキッチンに集まる。無論ティエリアも。
「どうしたロックオン!?」
「ロックオン!?」
「ロックオン!」
「ティエリア・・・・猛烈にかわいいいいいいい!!!!」
やってきたティエリアにがばちょっと抱きついて、頭をなでまくるロックオン。
ティエリアは、かぁぁぁと真っ赤になって、見せられた年賀状をひったくって逃げていく。そのあとをメロメロ状態になって追いかけるロックオン。
その頃某少年好きのユニオンフラッグのパイロットは。
フルチンだけど靴下をはいてネクタイはきちんと絞めて、宴会場を出ようとして、警察に捕まっていたとか。
「うおおお、少年たち、愛しているぞおおお」
今年も、いろんな歪んだ愛も純粋な愛も交差する。
さぁ、あなたはいくつ年賀状もらったかな?
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