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ソファーの上でロックオンがうたた寝をしていた。
今日も平和なマイスターズたちの休暇。刹那の家は一人では広いが、四人もいると少し窮屈にかんじられないこともない。
アレルヤが毛布をもってきて、ロックオンにかけてやる。
「今日も寒いね」
アレルヤはティエリアとリビングルームで小説を読んでいた。
刹那も寒いのか、私服姿に薄い上着を羽織っている。
暖房は20度くらいに設定されているけど、中東出身の刹那は寒さに強いほうではない。
多分、四人の中で一番寒さに弱いだろう。
「寒い・・・寒い・・・・」
こたつの中にはいってごろごろして、これがマイスターのあるべき姿かといえなくもない。
みかんをむいて、ぱくり。
アレルヤとティエリアもつられてこたつに入りごろごろしている。
ピンポーン
その時チャイムがなった。
「あー。動くのがだるいアレルヤでろ」
「なんで僕が!」
「アレルヤいってこい」
ティエリアにまで命令されて、仕方なくアレルヤが応答に出た。
扉をあけるとそこは無人。
ただ、「祝!今年もよろしく」という文字がかかれた荷物がおかれていた。
アレルヤはそれをもって入る。
荷物の中はなにやらあやしげなものでいっぱいだ。
白いふんどしとか赤いふんどしとかとにかくふんどしばっかり。
「これ、刹那あてだよ」
ピクン。
刹那に猫の耳があったら、そう動いただろう。
しゃああと全身の毛を逆立てたように、警戒する刹那。
「いっぱいふんどしばっかりだね・・・・あれ、お年玉だ」
お年玉にしてはやけに袋がでかい。
「よこせ」
刹那は、鋏を手に中身をおそるおそるあけた。
そこには。
忘年会でフルチンのグラハムのブロマイドがあった。
どれもこれもフルチン。
「チンカスグラハムが!!」
グラハムがその場にいたら、チンカスなどないとひたすら首を振っただろう。
つか刹那、どこでそんな言葉覚えてきたんだ?
刹那はブロマイドを全部粉々に切った。そしてゴミ箱に捨てたあと、念入りに手を洗う。
ふんどしの山は、着払いでグラハムのところに返品された。
だって、グラハム堂々と住所かいてあった。
ああ、今年も変態はやはり変態かな。
きっとくる、きっとくる〜〜。きっとグラハムが少年!と叫んでまた戦場かもしくは平和な日常で会う日が、きっとくる〜と思って、刹那はみかんをやけ食いした。
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