|
ティエリアが通販でかったジャボテンダーボール。
テンテンテン・・・・。
床を転がるそれをロックオンは拾いあげた。
ティエリアは期待に満ちた眼差しでこちらをじっと見ている。
「バレーボールしましょう!」
そうきたか。
二人でバレーボール。
しかも室内で。
どんだけ無理があるんだ。いや、その無理さえ愛の力でこえてみせよう。
「おう!」
ロックオンはジャボテンダー柄の軽いボールを宙に投げた。
「パス!」
ティエリアがボールをロックオンにむける。
「お、おうトス!」
「ジャボテンダーアタック!!」
それは、アタックではありませんでした。
シュートです。
蹴りました。
ティエリア、思いっきり蹴りました。渾身の力で蹴りました。
「ぬおおおあああああ!!!」
シュートは華麗に決まりました。
ロックオンの急所・・・・股間に。
ロックオンは急所を手でおさえて床でごろごろのたうちまわっています。
「ロックオン、修行が足りません!」
「無理いうなああ!!」
ロックオンは叫びます。
でもティエリアは聞いていません。
「どうして男性は、股間が急所なのでしょう?」
不思議な顔をしている。
「一変、男に生まれてみれば分かるから・・・・ぬおおお」
まだ苦しそうにごろごろしています。
ティエリアは中性。男性に近い自我をもっているけれど、男性ではない。肉体構造は女性でも男性でもない未熟な肢体をもっている。
「ふむ。じゃあ次アレルヤ沈めてくる!」
ティエリアは朗らかに笑いました。
明らかに、楽しんでいます。
「に、逃げろアレルヤ!!!」
ロックオンの必死の声は届くはずなく、バレーボールしようと誘われて、アレルヤも股間に華奢なティエリアの体から繰り出されるとは思えない力のシュートを受けて、股間をおさえてのたうちまわったそうな。
ちなみに、刹那はシュートを難なく足で受け止めたとか。
|