「うーん、モゴモゴ・・・・」 刹那は何かを食べているようだ。 モゴモゴいいながら、パソコンをいじっている。 放置されたフェルトはつまらなさそうにしていた。 せっかく、同じ時間を過ごせるのに、刹那はパソコンに夢中でフェルトの相手をしてくれない。 「刹那」 「モゴ?」 「モゴじゃなーい!」 スッパーン。 フェルトははいていたスリッパで刹那の頭をはたいた。 ここらへん、ニール直伝の技です。 よくニールが刹那をスリッパではたいていたのを見ていたフェルトは、その技を習得していた。 いや、誰にだってできるんだけど。 「何食べてるの?」 「モゴモゴ」 「分からないわ」 「モゴー」 フェルトは自分から動いた。 刹那にキスをして、刹那が食べていたものを舌でさらっていった。 「・・・・・!!!」 刹那は真っ赤になって口をぱくぱくさせている。 「モゴ・・・ああ、これティエリアからもらったキャンディ・・・・モゴ・・・私もさっき食べちゃった・・・モゴモゴ」 フェルトはキャンディをなめながら、真っ赤になった刹那を面白そうに見ている。 (いつでもウブなんだから・・・・) 「刹那、入るぞ」 その時ティエリアがノックもなしに、刹那の部屋に入ってきた。セキュリティロックはされていたが、暗号をティエリアは知っているので、問題はない。 「何をしてるんだ、二人で。演劇か?」 刹那は真っ赤になって固まっているし、自分のしたことに恥ずかしくなってフェルトも真っ赤になってキャンディを舐めながら固まっていた。 「ふむ、固まる練習か。どうせなら、死んだフリのほうが効果的だと思うが。まぁいい、この書類を明日までに提出してくれ・・・・・って、わーーー!?」 背後から伸びてきた腕に、ティエリアは体をさらわれた。 「はいはい。恋人の邪魔しないの」 「ニール!」 ティエリアの体を楽々抱きかかえて、ニールはフェルトと刹那にウィンクする。 「な、おろしてください!」 「はいはい、いいから邪魔者のおれたちは消えましょう。恋人の邪魔をするもんじゃないぜ」 「おーろーせー。うがーー」 「はいはい、俺の部屋でおろしてやるよ」 消えていく二人の相変わらずの仲のよさというか、元気のよさに二人は目をぱちくりして、お互いにどちらともなくクスリと笑いあうのだった。 |