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「むにゃ・・・・・ううん・・・・」
「起きたか?」
「うん?」
ティエリアはベッドの隣を見た。そして、かっと目を見開いて毛布をはぐと、隣に寝そべっていた男を蹴り飛ばした。
「夜這いとは卑怯な!!!最低だ!!」
「ちょ、なんでそーなるんだ!!」
「最初から見損なっていたがさらに見損なった!!」
「最初から!?やっぱ俺の扱いひでぇ!!じゃなくてーー!!」
ライルは蹴り落とされた姿勢から立ち上がりながら、ティエリアを宥めにかかる。
「今日は俺と一緒に寝る約束してただろ!」
「あれ?そうだったろうか?」
ティエリアはベッドの上で正座をして、首をひねった。
「むう?昨日もライル、君と寝た気がする」
ちなみに、ライルと刹那の間をたまに往復して一緒に寝るのがティエリアの習慣だった。
昔ロックオン・・・ニールと毎日一緒に寝ていたせいで、一人では寝れない変な癖がついてしまった。
いつもは刹那と一緒に寝るのだが、ライルと奇妙な三角関係な状態もあって、ライルと一緒のベッドで眠ることもある。
本当に、一緒に眠るだけ。
ただ同じベッドで温もりを共有しあうだけだ。
「教官殿、最初はですます口調でかわいかったのに、最近化けの皮が剥がれてきたな」
「そんなことはない、です・・・・」
言葉の最後と一緒に顔が引き攣っていた。
「ああ、君にはやはり普通で接するのは一番か・・・・」
本当に、初期の頃はライルも年長者のため、時にはですます口調でニールと接する時のように話していたが、時間がたつごとにそれが変に思えて、刹那と会話するように普通の口調に戻っていった。
「それで、夜這いではないのか」
「違うっつー・・・・」
ライルはそこで鼻血を垂らした。
ティエリアは、生足を曝け出していた。
「やはり夜這いか!死ね!」
生足でライルを蹴り倒した。
ライルのYシャツを羽織って下着だけをつけた格好で、ティエリアは怒ってジャボテンダーを片手に部屋を出ていく。
「ここ、俺の部屋なんですけど・・・・やってきたのティエリアのほうなんですけど・・・一緒に寝ようって、ティエリアのほうから・・・もういないし・・・」
ライルは股間を蹴られて蹲っていた。
悩殺キック。
パンツが見えた。
苺柄だった。
得したけど、痛い。
とっても痛い。
本当に、ティエリアが昨日やってきて一緒に寝ようと、ジャボテンダー片手にライルの部屋を訪ねたのだ。
ライルは快く迎えた。
パジャマをもってこなかったティエリアに、私服をかした。着替えたティエリアの格好に目が飛び出たけど、ティエリアは裸になることにもなんの躊躇いもないある意味、漢の中の漢なので、ライルも睡魔に任せて一緒に眠った。
手なんて出してない。
なのにこの仕打ちはないだろう。
そして、5分してからティエリアは戻ってきた。
「そうだ、今日は君と寝ると約束していた。さぁ寝るぞ!」
先にベッドで勝手に寝てしまうティエリア。
まだ朝も早い。ティエリアは低血圧なので、できるだけ遅くまで惰眠を貪るタイプだ。
「ZZZZ・・・・・・」
睡眠する呼吸の音が聞こえてきて、ライルは頭をおさえてから、またティエリアの隣で寝るのだった。
そして朝になると、またティエリアに勘違いされて蹴り落とされるのだ。
一緒に寝ようって、約束してやってきたの、ティエリアのほうなのに。
それでも一緒に寝るライルもある意味凄い。
ちなみに、刹那と一緒に寝るときはティエリアはとても大人しく、絶対に刹那を蹴り落としません。
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