3時間目、いつもの現代国語の時間がやってきた。 そう、かの変態と悪名高きグラハム先生の授業だ。 「みんなー元気にしてるかな!先生は元気だぞー!」 ガラリと戸をあけてグラハム先生が教科書をもってやってきた。 今日のハム先生の衣装は、レオタードでした。その上からフンドシをしめていました。 珍しく股間を露出していないまともな衣装です。彼にスーツという選択肢はきっとないに違いない。 「では、この問題を・・・少年、解いてみなさい!」 グラハム先生は、黒板に倫敦とかいて、これの読み方をかけと刹那に迫った。 刹那は立ち上がり、顔色一つ変えずに、「ろんどん」と読み方をかく。 「せ、先生は読めなかったのに!」 「アホだろお前。教師やめろ。ただの雑用事務員にでもなれ」 刹那は厳しく非難します。 生徒に読み方を教わって、それを電子辞書にうちこんでグラハム先生も自分で勉強しているのでした。 「で、ではこれの作者は誰だ?」 グラハム先生は黒板に倫敦塔と書きました。 刹那はすぐに答えを書いた。 夏目漱石の短編小説。1905年、『帝国文学』に発表。 と細かいところまで付け足して。グラハム先生は電子辞書で確かめて、チョークで答えにまると大きくかいた。 「正解だ、少年!正解した少年には、ハム先生のふんどしをあげよう」 「いらない」 「そういわずに」 「いるかこんなもの!」 「そういわずに〜〜〜!!」 その押し問答が永遠と繰り返され、フェルトは立ち上がると、ハム先生がいるにも関わらず、黒板に自習と書き出した。 みんな勝手に問題集をあけて解いていく。 もう現代国語の時間は、いつでも教科を問わずの自習時間になっているのが恒例だ。友達としゃべり出す生徒だって無論いる。 「しつこい!自分の頭にしめてろ!」 ふんどしをハム先生の頭にしてめやると、ハム先生は気絶した。 そのふんどしは、ハム先生が1週間つけっぱなしだったものだ。洗濯なんて無論していない。 「う、くさっ!手を洗ってくる!」 刹那は自分の手に染み付いたにおいを落とすために、すぐにトイレに走っていった。 そして、授業終了のチャイムがなるまで、ハム先生は黄ばんだふんどしを頭にしめたまま気絶していた。 そして、次の時間になる。 数学のイアン先生の授業だ。 イアン先生は、床で気絶していた同僚の教師を・・・・窓から捨てた。 「さて、みな。今日は小テストの解答用紙を配るぞ」 フェルトが進み出て、みなに解答用紙を配っていく。 刹那は疲れて机につっぷしていた。 「それから、刹那・F・セイエイ」 「はい」 イアン先生に呼ばれて、刹那は立ち上がる。 「いくら小テストがすぐに解けたといっても・・・・裏にこんなガンダムをかくなんて素晴らしいじゃないか!これはストライクガンダムだな!ガンダム部顧問として、誇りに思うぞおやっさんは!」 イアン先生は、がはははと明るく笑って、100点の刹那の小テストの裏に緻密に綺麗に描かれたプロが描いたようなストライクガンダムにはなまるを赤ペンでいれていた。 「イアン先生」 「なんだ、アレルヤ君」 「この小テストの解答・・・ほとんどがガンダムについて書かれてますけど」 「そりゃそうだ。次はガンダムについてのテストをするぞ!」 みんな、えーとざわめく。 でも、ここは私立ガンダム学園。 そう、ガンダムについても学ばなければならない。 本来ならガンダムについて学ぶのは、課外授業であるのだが、ガンダムの調整を勤めるイアン先生の手にかかると、数学の時間だってガンダムについての授業が混じってしまう。 「さて、じゃあ授業をはじめるぞ〜」 イアン先生は教卓の前に立つ。 そして全ての授業が終わり、刹那はガンダム部で今日も新しいプラモデルを組み立て、たった他に二人しかいない部員と熱くガンダムについて語りあい、帰宅の時間になった。 アレルヤはサッカー部で練習試合を、ティエリア、ニール、ライルはバスケット部で練習をしていたし、残るリジェネもコンピュータ部で複雑なプログラミングをしていて、みんなクラブ活動にうちこんでそれが終わって、教室に戻ってくる。 刹那は、自分の鞄をあけて・・・・、そこから出てきた黄ばんだふんどしを、影から覗いていたグラハム先生に、空いていた席の椅子にふんどしを巻きつけて、椅子ごと投げた。 「もぎゃあ!痛いでも快感クネクネ!」 刹那の激しい愛に身悶えるグラハム先生を、みんな邪魔だと蹴り飛ばして、何事もなかったかのように今日も帰宅に迎えにきた高級車に乗り込んで帰宅するのだ。 アレルヤだけは電車通学なので、校門で別れを告げてマリーと一緒に笑い合いながら駅に向かっていった。 「ハァハァ・・・・愛が激しすぎて、先生いっちゃった。少年、素敵V」 夕焼けに染まりながら、グラハム先生はふんどし一丁で教室に佇む。 それから職員室に戻り、彼も帰宅の用意をすると、自分の車をとめてある駐車場に戻る。 「のああああああ!」 グラハム先生の車は、OOガンダムに踏み潰された形のまま、放置されていた。 OOガンダムもその形もまま放置。 「少年、私の車に嫉妬するなんて!なんてかわいいやつなんだ!」 ハートを飛ばすグラハム先生。 「へっくしょい」 刹那は、自室でガンプラを作りながら、その頃くしゃみをしていた。 END |