水遣り(3期)







フェルトは、刹那からもらった白い花に、水をあげていた。
場所はティエリアが花を育てているブリーフィングルーム。如雨露を傾けてずっと水をやっていると、背後から刹那のため息が聞こえた。
「刹那?」
「水のやりすぎた」
「あ、ほんとだ」
白い花はびしょびしょだ。

「あまり、花に水をやりすぎると根が枯れる」
「あ、うん。植物なんて育てたことないから」
「世話はティエリアに任せればいい」
「だめ。刹那からもらったから、私が世話するの」
フェルトは言い切った。
「じゃあ、水は2〜3日に1回だけでいい。分かったか?」
「うん」
如雨露をもちあげて、中の水を他の植物にあげてフェルトは立ち上がった。
「刹那、心配してきてくれたの?」
「まぁ、そんなところだ」
「ありがとう」
「どういたしまして」

フェルトは如雨露を元にあった場所に戻すと、刹那と肩を並べて歩いていく。

ちなみに、その場にいたアレルヤは、KYなので二人に気づいてもらえなかった。
壁に向かって呟く。
「今日も僕は存在すら気づいてもらえなかったよハレルヤ」
脳内でハレルヤの声が響く。
(KYすぎる)
「酷いよ!」
延々と壁にむかって話しかけるアレルヤを、トレミーのみんなは敬遠して話しかけることもしなかった。
ただ、マリーだけがやってきて、ソーマと人格が変わるとアレルヤにプロレス技をかけていた。

白い花は今日も綺麗に咲いている。