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「刹那、コーヒーいれたの。飲まない?」
「ああ、もらう」
食堂で、フェルトがいれたコーヒーを片手に、刹那はそれを口にして硬直した。
苦い。
苦すぎる。
これが世にいうブラックコーヒー。
「フェルト」
「やっぱコーヒーはブラックが一番だよね」
微笑むフェルトに、刹那もつられて微笑んだ。
「ああ、そうだな」
笑顔がどこか引き攣っている。
ああ。砂糖がほしい。あとミルクも。
「刹那、おかわりいれてあげる」
「あ、ああ」
刹那は平気な顔で3杯飲んで・・・倒れた。
「きゃあ、刹那!?」
見ていたティエリアは、テーブルを叩いて笑っていた。
「フェルト。刹那は、ブラックコーヒーが大嫌いなんだ」
「ええ!?最初にいってくれればいいのに!なんで全部飲んじゃの!?おかわりまでさせちゃった!」
「フェルトの優しさを無駄にできなかったんだろう。くくく・・・・刹那が目覚めたらココアを飲ませるといい。意外と甘党なんだ」
「そうなんだー」
フェルトは気絶した刹那を放置して、ティエリアの隣にくると、ティエリアにブラックコーヒーを入れた。
ティエリアも甘党だが、ブラックコーヒーを飲めないわけでもないので口にする。ティエリアも気絶した。
「ちょ、ティエリア!?」
「おい・・・かしてみろ、フェルト」
ティエリアの向かいの席にいたライルに、フェルトはティエリアの残したブラックコーヒーを渡す。
それを一口のんでライルは。
「これ・・・・コーヒーっつーか、コーヒーメーカー壊れてるな。これ飲めた代物じゃない」
「ええ!?」
フェルトは最初からコーヒーを飲んでいなかった。
コーヒーを入れて、それを飲んでフェルトも昇天した。
「・・・・・・・ライル、君って人は!!」
食堂にやってきたアレルヤは、気絶してうなっている三人を見て、ライルを責めた。
「ちょ、俺じゃねぇ!」
「スメラギさんに報告だ!」
ダッシュで去っていくアレルヤ。
「俺じゃねええええ!!」
壊れたコーヒーメーカーはすぐに買い換えられましたとさ。
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