寒い







エアコンが壊れた。
5月だというのに今日は寒い。
北方地方をトレミーは旋回しているため、みんな厚着している。

「寒い」

ベッドの上で毛布を重ねてさらに厚着して、電気ストーブまでかけて刹那はくしゃみをしていた。
寒いのは苦手だ。

「刹那、厚着しすぎじゃない?」

刹那の部屋で同じように毛布を被って電気ストーブにあたっていたフェルトが言う言葉ではないだろう。
フェルトも十分に寒がっている。

「恒例のティータイムです。でも今日は熱々のお汁粉です・・・」
「あったかい」
刹那は嬉しそうだ。
お汁っておやつ?飲み物?どっちだろう?それとも普通のごはん?
よく分からないでの飲み物に分類したフェルト。

「よー刹那、凍った海に到着したぜ!魚釣りしようぜ!」
ニールが部屋に入ってきた。
凍った海に穴をあけてひたすら魚がつれるのを待つとっても寒い釣り。
「せつ・・・・あべし!」
空になったお汁粉のおわんをニールに投げて、刹那は寒い空気が入ってきたのでニールごと廊下に放り投げて部屋の扉を閉めようとしたところに、毛布をかさねてかぶってジャボテンダーをひきずったティエリアがやってきて、ニールの足をひきずって元きた方向に歩きだす。

「地上はこれだから嫌いだ。しゃむい」

シュンと扉が閉じる。

「しゃむい・・・」
ちょっと胸きゅんになった刹那。
「フェルト、しゃむいって言ってくれ」
「え?しゃむい」

刹那は顔を手で覆ってベッドの上でごろごろしている。萌えているのだろう、多分。

夜にはエアコンは元通りイアンよってなおされたけど、ニールとライル兄弟はほんとに凍った海でつりをしていたという。北方地方出身は寒さに強い。

あーしゃむい。今日もしゃむいですね。