ダイエット(3期)








朝食の時間になっても、フェルトはサラダしか食べなかった。

「どうした?体調でも悪いのか?」

刹那が心配そうに、フェルトの顔を覗き込む。
フェルトはサラダをフォークでつついていたかと思うと、それを食べて水を飲んで、刹那の腰を掴んだ。

「のあ!?」

「刹那、どうして男なのにこんなに腰が細いの!」

後ろに座っていたティエリアのほうにいき、ティエリアの腰も掴む。

「ティエリアなんて細すぎ!もっと食べるべきよ!!」

ティエリアなんて、朝からソフトドリンクにAランチ定食ときた。隣に座っていたニールが、フェルトの頭を撫でて笑う。

「なんだぁ、太ったのか?ティータイムばっかしてるからじゃね?」

「あああ、ニール」

乙女の心を怒らせるニールの言葉に、フェルトは鉄拳を食らわせると、刹那の隣に戻った。

「体重が増えたの。やっぱりティータイムなんかで間食とってるせいかな?」

フェルトの楽しみの時間といえば、刹那とのティータイムだ。紅茶だけにしようかな。そんなことを考えいるフェルトの頭を撫でて、刹那は微笑した。

「どうせ、1、2キロだろう?」

「うん」

「そんなのすぐに戻る。女性は体重が変動しやすいからな。気になるなら、俺と一緒に筋肉トレーニングするか?」

「あ、それいいかも。運動最近してないし」

フェルトは、こうして次の日から刹那と一緒に筋肉トレーニングをはじめた。これがまたはまって、今度は脂肪は落ちたけど無駄に筋肉がついて、体重が増えた。

「あああああ!!」

蛍光色のピンクの髪を振り乱すフェルトの姿を見ては、刹那は顔を覆って床でゴロゴロしている。フェルトの仕草や反応がたまらないらしい。
一歩間違うと変態の域だ。

ライルがやってきて、体重で悩んでいるフェルトに言葉をかける。

「ボインになったんじゃねぇの?その分体重が―――」

即効、ティエリアに蹴り飛ばされているし。

「アニュー!みんなが冷たい」

「あら、そんなことないわ。みんなライル、あなたのことを信頼してるわよ」

唯一いつでもライルの味方のアニューは柔和に、ライルを包み込む。

「アニュー!」

でも、みんなライルを見てこういうのだ。

「チャラ男が、アニューに言いくるめられている」

結局、フェルトは適度に刹那と一緒に筋肉トレーニングをして、食事はちゃんととって、ティータームはチョコレード菓子などさけていると、元の体重に戻ったそうな。