ジャボってんだー)









朝起きると、ロックオンが目にしたのは、ジャボテンダーを背中に紐でしょったティエリアの笑顔。
とりあえず、もう1回寝ることにしようと瞼を閉じたら、ティエリアにたたき起こされた。
「まだ眠い」
「もう朝ですよ」
「まだ5時じゃねぇか」
「もう5時です!光合成の時間です!」
「うはぁ〜〜〜」

ロックオンは、仕方なくベッドから置きあがると、顔を洗って歯を磨いて着替えた。
その背中に、ティエリアがジャボテンダーの息子なるジャボリー君というミニサボテンダーをくくりつける。
二人して、ジャボテンダーとサボテンダーを背負って何をするかというと。

ただのトレミー3周。
しかもダッシュだ。
鍛錬になるとはいえ、こんな早朝は簡便願いたいとロックオンは思うが、愛ゆえにティエリアに調子を合わせてしまう。

そして、二人は愛を語らいながら、トレミーを走り出す。
そして体力がつきて、のろのろ歩きになる。
いつもの3周が、もう何十周になっているだろうか。
ひたすらトレミーの廊下を歩き続ける。
ティエリアと、他愛ない会話をしながら。

「ジャボテンダー光合成、あ、ほい、ほい」
また変な歌を歌いだしたティエリアにあわせてロックオンが掛け声をかける。
「あ〜、ほい、ほい」

「・・・・・・何してるの?」
起きてきたアレルヤと廊下ですれ違った。
多分食堂にいく途中なのだろう。隣には珍しく刹那までいる。
「・・・・見て分からないのか、アレルヤ」
刹那が、ロックオンとティエリアの変わりに答えた。
「ジャボテンダー強化特訓だ、きっと」
「え、そうなの!?」
「そうだとも!今日のメニューは刹那、アレルヤもジャボテンダー(重り入り)を背負ってトレミーを走ること!」
すでに強化メニューを勝手に決めたティエリアは、重い入りなんて嫌なので早朝からこうして走っていたのだ。最後には歩いていたけど。

「うわ。なんか平和ボケしそうなメニューだね」
「訓練が終わった後には、必ずメロンソーダを飲むこと!ジャボテンダーさんの分まで栄養をとるのが必須だ」
真面目な顔でこうのたまうのだから、可笑しくて仕方ない。

最近、ジャボテンダー中毒がトレミー中で流行っている。アレルヤまでジャボテンダーを手に入れたし。次はドクターモレノかイアンあたりかと、ティエリアはほくそ笑むのだった。
ふふふ、僕のジャボテンダー計画は順調だ。
いずれ、世界をジャボテンダーで埋め尽くす。
じゃない、CBの力をもってして平和にして人類を導くのだ。そこにジャボテンダーが加わればいいのになぁとか、最近思想まもうジャボテンダー色になってきているティエリア。

「さて、僕たちも食堂にいきましょうか」
「おう」
ジャボテンダーを背負って、二人は食堂に向かい、そこで出会ったフェルトに思いっきり笑われるのであった。