さて、今日もトレミーは平和である。 宇宙を地球が見える場所で漂っている。そんなトレミーの船員たちも、これまた平和を満喫していた。無論ガンダムマイスターとて同じである。 大規模な戦争のなくなった、平和な世界。 テロや内紛戦争などはまだ少し見られるものの、以前の地球と比べれば格段に平和になっただろう。 そんな一日の朝は、ジャボテンダーから始まった。 ティエリアは、ニールの部屋で一緒に寝泊りしている。 ティエリアが自分の部屋で寝る時は、ニールがやってくる。 たまに刹那やアレルヤ、リジェネかライルの部屋で寝ることもあるけれど、基本はロックオンことニールの部屋である。 「起きろ!ジャボテンダー体操の時間だぞ!」 いつもの柔らかな口調を消して、ティエリアはかつてガンダムマイスターとして戦っていた時期のように、きつい口調でニールの頭をジャボテンダーで思い切りぶった。 「いって。なんだ、いきなり!?」 時計を見ると、まだ4時半。 地球では朝日もでてないような、早朝である。 いつもは8時過ぎまで怠惰に眠りをむさぼるというのに、一体どうしたことであろうかと、ニールは眠い目をこすりながら、ティエリアを仰ぎ見た。 すでにパジャマから、いつものピンクのカーディガンの服装に着替えている。 ジャボテンダーを両手にもち、再びニールを攻撃した。 「あべし!」 ジャボテンダーで思い切り叩かれて、痛くないはずがない。 「白羽どりいい!!!」 再び頭上から振り下ろされるジャボテンダーを白羽どりしてから、ティエリアの様子を何気になく伺う。 「万死に値する!ヴェーダがそういっている。あなたはガンダムマイスターに相応しくない」 「おいおい、一体なんだよ」 ぽふ。 次にやってきたのは、少し柔らかいティエリアの体そのものだ。 慌てて抱き寄せる。 「ジャボテンダーさんで、世界はヴェーダが・・・・駆逐したのが平和で・・・ニールはマイスター・・・・・・・・・・・・」 ぐー。 ぐーぐーぐー。 思いっきり寝ていた。 「っとに、お前さんは手がかかるなぁ」 寝ぼけた行動もティエリアらしく、破天荒だ。 しかし、その行動はその日だけでは終わらなかった。 1週間と続いたので、心配したニールが医者に見せた。結果は不明。ただの寝ぼけていた行動と判断された。 「大丈夫か?」 「なんでもありません。でも恥ずかしいです。毎日寝ぼけてジャボテンダー振り回してニールをこきおろすなんて」 いやまぁ、毎日いろいろこき下ろされているような気もしないでもないけど。 ニールはこれをジャボテンダー病と名付けた。 1週間が過ぎるころには、目覚めると隣で丸くなってティエリアは寝ていて、ニールは欠伸をしてから二度寝する日常に戻った。 ティエリアの中で異変が起こったわけでもない。 結局、毎日平和に起きるとジャボテンダー体操を、二人でいっちにさんしと、号令をかけながらやっている日常が戻ってくる。 阿呆な光景は、毎日の日課としてトレミーのニールの部屋で見れるのであった、とさ。 |