「さぁ、寝ましょうか」 「マリナ姫。本当に、ベッドで眠らなくていいのか?」 ティエリアが、広い和室にしかれた3組の布団の、自分の分の布団の上で正座している。 「あら、家族ですもの。家族は同じ部屋で寝るものよ?」 マリナは、いたって真剣だった。 「刹那」 「マリナとは、いつも同じベッドで寝ている。だが、今はティエリアがいるだろう。ベッドではティエリアが眠れない」 「僕のことなど、気にしなくてもいいのに」 「そうはいかない。ティエリアは俺の家族だ」 「そうよ、ティエリアさん。刹那のいう通りよ」 マリナはパジャマに着替えていた。刹那とお揃いだ。 「刹那、愛しているわ」 「マリナ、俺も愛している」 それぞれ、おやすみ前の軽い口付けをかわす。 どうしたものかと、ティエリアは首をひねっていた。 「何故、僕の布団は中央なんだ?」 「親子では、子供は中心で川の字になってねるのが日本のしきたりだそうだ」 「子供・・・・」 ティエリアは、笑う。 確かに、刹那の養子になったのだから、刹那の子供ということになるのだが、それにしては年齢があまり変わらない。 ちなみに、ティエリアのパジャマも刹那とマリナとお揃いだった。 どこまでも家族だ。 「さぁ、寝ましょうか」 マリナが布団にもぐりこむ。刹那も布団にもぐりこむ。 ティエリアも、黙って布団にもぐりこんだ。 川の字になって、布団をしいて眠る。 ある意味新鮮だ。 「ティエリアさん、遠慮はいらないのよ。あなたは私の家族なんですもの」 「ありがとう、マリナ姫」 「電気を消すぞ」 とたんに暗くなると光りだすティエリアの金色の瞳。 「綺麗ね。金色のお星様みたい」 マリナがうっとりと呟く。 いの間にか少しスペースのあいていた布団がきっちりと並んで、ティエリアの布団の中に刹那とマリナが入ってくる。 「おやすみなさい」 「おやすみ」 マリナと刹那は目を閉じる。 布団のつなぎ目で眠ることになるのだが、二人は気にいしていないようだった。 二人の体温を感じながら、ティエリアも二人に挟まれて眠りに落ちるのだった。 -------------------- 刹マリ刹ティエ同居シリーズ。 |