心の想い







「愛しているぜ、アニュー」
全員に伝わる回線で、わざわざ愛を囁いた。
そうしたいと、心から想ったからだ。

生きて、必ずアニューの元に帰り、また彼女を抱きしめるんだ。

この四ヶ月で、全てが変わっていった。
まだティエリアのことを引きずっているが、自分を見つめてくれて、自分を愛してくれるアニューが好きだ。
愛していると想う。
この想いは、嘘じゃないから。

通信が入る。
ティエリアからだ。

「ライル・・・・そういったことは、二人のときに言うように」
注意勧告だった。
あいかわらず生真面目な性格をしている。そういった面では変わらない。

「ならさ、あんたに愛してるって言えば良かった?」
とたんに、ティエリアが顔を赤らめる。
「バカなことを・・・・」
切り捨てられた。

くくくと、声もなくライルは笑う。
「この前、刹那に通信で愛してるって言ってたくせに」
「どうしてそれを!!」
ティエリアがノーマルスーツのまま、イメージカラーである紫のヘルメットを通信画面に近づける。
「かわいいよな、あんた。そういうところは変わらない」
「ライル!」
「アニューは、俺を包み込んでくれる。俺を見てくれる・・・・」
「・・・・・・・・すまない」

「いいさ。あんたが出した結論は、すでに結果は出ていたんだ。それでもまだ、一緒にいたいときはいさせてくれ」
「好きなようにするといい・・・・」
通信が切れた。

「この想いは、嘘じゃないから・・・・・ティエリア、アニュー」

戦場に出て行く彼を、止めることもできずにただ見つめるアニュー。
ふと、その濃い紫の瞳が、収縮して金色に輝く。
「あら・・・・私・・・・?ライル??」
「どうしたの、アニュー」
心配そうに、フェルトが覗いてくる。
「大丈夫。少し、ぼうっとしていただけ」
「そう。無理はしないでね」
「お互いにね」

にっこりと、アニューは微笑む。
帰ってきた彼を、またこの腕の中で出迎えよう。
あのエメラルドの微笑みが、自分に向けられている。
最初は、そうなればいいな、と思っていただけだけれど、現実のものとなった。

「愛しているわ、ライル」

その想いは、真実だから。
その言葉も。

嘘じゃないから。
いつか、真実があばかれるときがきても、きっと。
変わらない。
きっと。