「ジャボテンダーさんチョップ!」 ティエリアが、いつものようにジャボテンダー抱き枕を抱えて攻撃してくる。 それを受けながら、今日も幸せだなぁと、ロックオンは周囲に花を咲かせていた。 「ジャボテンダーさん。今日も薔薇のように麗しい」 瞳をうるうるさせながら、ティエリアはジャボテンダーを見つめる。 そんな行動を、かわいいなぁと、ロックオンは見守っていた。 「そうだ。ロックオン、ドクター・モレノが話があるそうだ。一緒に行こう」 「ドクター・モレノが?珍しいこともあるもんだなぁ」 ティエリアはジャボテンダー抱き枕を片手に、空いた手をロックオンと繋いで、るんるんと歩きだす。やがて、ドクター・モレノの診察室に来た。 「あー、ロックオン」 「よう、どうした?」 「お前、ティエリアに何を吹き込んだ?」 「へ?」 「ロックオンの脳みそを診察しないといけないのかね」 「診察してあげてください」 ティエリアは嬉しそうだった。 ドクター・モレノは、冗談と思っていたのに、聴診器をロックオンの額にあてた。 「うーん、頭はどうやらバターのように溶けているな」 「それは困りました!どうすればいいのですか?」 真剣な表情でティエリアが、診察用の椅子に腰かける。 「ジャボテンダーさんも、診察してあげてください」 ジャボテンダーを差し出すティエリア。 ドクター・モレノは笑うこともせず、聴診器をジャボテンダーにあてる。 「今日も元気がいいな、ジャボテンダーは」 「そうですか。最近食欲がなくて心配していたのです。水ばかり飲んで・・・・」 いや、ジャボテンダー何も食わないから。 水も飲まないから。 ついでに、光合成も、光にあててもしないから。 いっぱいつっこみたいところはあったが、ロックオンは飲み込んだ。 ジャボテンダーと会話をはじめたティエリアを放置して、ドクター・モレノが「もう、お腹いっぱいです」といった表情でロックオンを近くに呼ぶ。 「どうした?」 「お前、ティエリアと体を繋げたいんだって?」 「ぶばっ!」 ロックオンは、ふきだした。 唾を顔面にいっぱい受け止めながら、ドクター・モレノはロックオンの頭に聴診器をあてる。 「やっぱり、脳みそがバターのように溶けてるな」 「ティエリアが、そう言い出したのか?」 「てっきり、ロックオンがそう吹き込んだのかと思った」 「いや、俺もそこまで犯罪者じゃないから・・・」 「でも、正直なところ、どうなんだ?」 「そりゃあ、愛してるし、体の関係はもちたいとは思う。俺も男だし・・・でも、ティエリアは無性だろう?」 「それがなぁ。まぁ、なんていえばいいのか・・・・女性器はないけど、男を受け入れるようなものに似た器官を、備えている」 「ぶばっ」 ロックオンは、また吹き出した。 「マジで?」 「まじで」 聴診器を耳から外して、ドクター・モレノは語った。 ------------------------------------------ 「ロックオンと体を繋げれるか?」 いきなりやってきて、そう呟いてきたティエリアに、ドクター・モレノは聞き返した。 「はい?」 ティエリアは同じ言葉を呟く。 「ロックオンと体を繋げれるか?」 「もっかい言ってみろ?なんだって?」 「ロックオンと体の関係をもちたい。この無性の体では、それが可能だろうか?」 スクリーングラスをかけたまま、頭を壁に何度もゴンゴンと打ち付けるドクター・モレノ。 とても真剣で真面目な顔で尋ねるティエリア。 ドクター・モレノは何度も現実から顔を背けるように、ゴンゴンと、たんこぶができるまで頭を壁に打ちつけた。だが、そんなことをしたからってティエリアの言葉が変わるわけではない。 「もう少しくだけて言った方がいいか?ロックオンとSEXしたい。この無性の体では、それが可能だろうか?」 ティエリアはゴンゴン壁に頭を打ちつけるドクター・モレノの真似をする。 「楽しいか、ドクター・モレノ?」 「いや、全然楽しくないから」 頭を壁に打ちつけるのは止めて、ドクター・モレノは、それはそれは、初めて恋愛をした思春期の娘が母親に聞かせるように熱心に語るティエリアの話を聞いた。 「なんでそんなことを思ったのしらないが・・・・まぁ不可能ではない」 「本当か?」 ティエリアが顔を輝かせる。 「では、どうすればいい?」 「そんなこと聞かれてもなぁ」 困るドクター・モレノ。 「手順を踏めば、可能だろう。だが、無性であるということを忘れるな。そういう行為にはむいていないのだから、体の造りが」 「了解した」 まるでミッションをこなすように、機械的にティエリアは答える。 ------------------------------------------ 「と、いうことだ」 「ティエリア・・・・俺が恥ずかしい」 顔を覆うロックオン。 「ま、そういうことだ。仲良くやれ。ただし、やりすぎは禁物だ。あと、出血するかもしれないが、まぁ自然現象だと思えばいい。毎回出血するかもしれんが、気にするな」 ドクター・モレノは手をひらひらさせて、「もうお前たちに用はない」と手で表現していた。 「ロックオン。ドクター・モレノの言葉通り、僕の体はSEXが可能です。SEXしましょう!」 「ぶばっ」 また、ドクター・モレノの顔に唾をふきだした。 「ティ、ティエリア・・・・」 まるで、これからミッションだというような様子なティエリア。 ロックオンが首を振る。 「俺は、お前さんを大切にしたいんだ。だから、な?」 ティエリアはジャボテンダー抱き枕を抱きしめて、瞳をうるうるさせて、上目遣いでロックオンを見上げた。 「僕を、食・べ・て?」 「ロックオン・ストラトス、目標を狙いうつぜ!」 ティエリアを抱き上げるロックオン。 ニヤリと、ドクター・モレノが唇の端を吊り上げる。 (グッジョブ、ティエリア)そう、モレノが親指を差し出すと、ティエリアも満面の笑顔で親指を差し出した。 どうしたら、ロックオンをその気にさせられるかとしつこく聞かれて、上目遣いで食べて?とでも言えば十分だと答えたドクター・モレノ。 無性だから、そんな行為はよせとは言わない。 愛があるのだから、仕方のないことだろうと、ドクター・モレノは受け入れた。 結局、食べられたティエリアは、出血が止まらないと、血相を変えてティエリアを抱きかかえてかけこんできたロックオンのせいで、またドクター・モレノのお世話になるのであった。 ------------------------------------------ あの? 体の関係のまだなかった初期のロクティエのギャグを目指して・・・いつものように沈没。 うちのティエは誘い派なのかもしれない・・・・・。 ロックオンは我慢強い。 |