「ティエリア、忘れ物」 「え、なんですか?」 ティエリアが部屋を振り返る。 ロックオンの手には、ブルートパーズの忘れな草の髪飾りが光っている。 「あ・・・」 それを、ロックオンは器用にティエリアの髪につけてやる。 「ありがとうございます」 笑顔のティエリアを引き寄せて、髪をかきあげると、露になった耳を甘噛みする。 「あ・・・」 とたんに紅くなってうつむつティエリア。 「耳、かわらずよわいのな?」 「ジャ・・・」 「ジャ?」 「ジャボテンダーさんカウンタークロス!」 「あべし!!」 見事にジャボテンダー抱き枕を持ったまま、カウンタークロスを決めるティエリア。ロックオンは目を回していた。 「忘れな草は・・・食べられると、枯れてしまうんです」 そっと頭の髪飾りを撫でる。サラサラ零れる紫紺の髪。 ティエリアは、忘れな草。可憐に咲く水色の花。 一度見たら、誰もが忘れることのできない存在。 ティエリアは忘れな草。 |