許されないと分かっていても







「ティエリア・アーデ」
写真に写るティエリアは、どれも綺麗に微笑んでいて。
ティエリアを、携帯端末で呼び出した。

場所は、もう使われなくなった学校。

「へぇ、本当にきたんだ」
「だから、なんのようだ」
「命知らずなんだね」
「君に殺されるほど、やわにできてはいない」

リジェネが、ふと微笑んだ。
ティエリアは天使のように微笑むのに、リジェネは小悪魔のように微笑む。

「これ、遅いけど、バレンタインのおくりもの」
中身を念のために確認すると、サボテンダーの貯金箱が入っていた。
ティエリアは目を輝かせる。
「も、も、もらってあげてもいいぞ」

ああもう。
ティエリアって、本当にかわいいなぁ。
そのまま、廃校までつれこんで、一緒に座り込む。
体温が二人とも冷たい。

リジェネは、ティエリアの額にキスをする。
それを、ティエリアも拒まない。

「本当に、ジャボテンダーが好きなんだね」
「悪いか・・・」
幾分顔を紅くして、自分と同じ姿をしたリジェネを睨みつける。

「かわいくて、君らしいよ」

許されないと分かっていても、僕は君を愛す。
君の愛しいロックオン・ストラトスの記憶は、ヴェーダを経由してリジェネの中にもある。

その魂が、こうしたいと足掻いているだろうか。
どうでもいいか。
君を愛せるのなら。
君が、少しでも心を開いてくれるのなら。