私は







ベッドに寝転んだロックオンの上にティエリアが座る。
いつもの優しいエメラルドの瞳が向けられる。
「私は、神を信じません」
「そうか。おれは信じてるけどな。この世界のどこかにいるんだって」

「いるのであれば・・・こんな世界になど、ならないはずだ」
「神様もいろいろあるのさ・・・ただ見守ってるだけかもしれない」
ロックオンの手が伸びて、ティエリアの頬を撫でる。

「私は」
「最近、一人称が私になってきたな」
「私というと、少し印象がかわりますか」
「ちょっとな」
「僕は・・・・罪を犯しました」
「なんの?」
「あなたを、皆からうばった」
ロックオンは、声もなく笑う。
「それは俺の意志でもあるよ」
「そうですか?」

「どうか。神にあなたを奪われないことを願います」
「それはこっちの台詞だ。天使のお前が消えないことを願う」

恋人たちは、キスをかわして、抱きしめあう。




私が願うのは

唯一つ

あなたの傍にいれること

それさえも今はかなわないなんて、世界はなんて無慈悲