「結局、王留美は生きていたんだね」 「なぁに、この手で片付けてみせるわよ。あの女を殺すためなら、地獄にだっていってやるわ」 ネーナは、ノーマルスーツを着た、リジェネ・レジェッタとラグランジェ5にある建設途中で放棄されたコロニーで出会う。 「本当に、いい男。イノベイターじゃなかったら、惚れてたわ」 ティエリアとシンメトリーを描く美しい美貌は、リボンズに反旗を翻した。 「リボンズのやつ、今頃必死で僕の姿を探しているだろうね・・・・ははは、いい気味だよ。いいかい、ネーナ。お兄さんたちの仇を打ちたかったら、まずは王留美を殺すんだ。そしたら、敵と会わせてあげるよ」 「その言葉、嘘はないでしょうね・・・まぁ、嘘だらけでもいいけど。私は、自分がよければあとはどうでもいいのお。お嬢様、今度こそ殺してあげますからね。ああ、もうさいっこう!」 ネーナは、銃を構えて紅龍に迫る。 「お嬢様、逃げてください」 「お兄様!」 銃で体を何箇所も撃ち抜かれながら、紅竜はゲートを開けて、王留美を逃がす。 「お兄様!!」 「いいから、いきな・・・・」 ゲートが閉まる。 「なによ、兄弟ごっこなんてどうでもいいのよ!あんた邪魔よ!」 仁王立ちで立ちふさがる紅竜の頭を撃ち抜いた。 ヘルメットに罅が入る。 それを、遠くからリジェネ・レジェッタが楽しそうに見ていた。 「あーあ。人間って、本当に汚いね」 「留美・・・・」 それだけいって、紅竜は息絶えた。屍を蹴り上げる。 「ばっかじゃないの。庇って死んで。それで何があるってわけ?」 ネーナは、死んだその体に必要以上に銃を撃ちこみ、もう生き残る、という可能性が0,00001%以下であってもないように、完全に死体を血まみれにした。 「あー綺麗。血が綺麗。こんなカス男でも、綺麗な血の色・・・・」 うっとりとネーナは呟く。 「ねぇ。あなたもそう思わない?」 「確かに、血の色はとても綺麗だよ・・・・」 動かなくなった死体を蹴り上げるネーナ。 「王留美は逃げたよ?どうするの?」 「なぁに、ガンダムスローネで決着つけるわ」 「そう。僕はここで留まっておくから。終わったら通信してきて」 「分かったわよ、今の私のご主人様。あなたも、いつか殺してあげる」 「できるものなら、殺してごらん」 「きゃはははは!」 「あはははは!」 リジェネはきっと堕天使だ。ティエリアと同じ容姿をしているのに、残酷だ。 二人は笑い声をだしていた。 ネーナは嬉しそうにガンダムスローネに乗り込む。 「さようなら、ネーナ」 リジェネは、唇を吊り上げた。 |