アイルランドでホテルをとると、早速ニールの墓参りに出かけた。
白い薔薇と百合の花束を、ティエリアと刹那は花屋で購入する。
いつもよく、CBが一旦壊滅状態に陥った時から何度もティエリアはニールの墓参りをした時に、花を購入している花屋なので、顔を覚えられている。いつ見ても若々しいねといわれた。はじめ、店で花を購入したとき、夫婦には子供がいなかったのに、今では7歳になる男の子がいる。
そう、もうあの人が死んで9年以上になる。
花束を、そっと墓標に捧げる。
「サヨウナラは、始まりの言葉。いつか、遠い未来であなたと出会えると信じて」
ニールだって、そう言ってくれた。
いつか、この世界のどこかで、人間同士じゃなくても、出会える気がする。
「ティエリアのことは、俺に任せてくれ。あんたの分まで、愛するから」
「ニール。僕たち、結婚式することにしたんだ。式場は、あなたと式をあげるはずだったあの教会」
リーンゴーン。
教会の鐘が鳴っている。
刹那とティエリアは、ニールの冥福を祈って黙祷を捧げる。
ふわりふわり。
「ニー・・・・ル?」
墓から、エメラルドの光が漂ってきた。
それは、一匹のエメラルド色の蝶を形作り、蝶はダンスを舞い踊る。
エメラルド色の燐粉が、地面に落ちる。
そこには「LOVE AGAIN」と書かれていた。
「ラーララララ」
ティエリアは、エメラルドの光の雫となって消えてしまった蝶を見つめながら、青空を見上げる。
「ラーラララ」
刹那も、歌いだす。
何度でも何度でも何度でも
あなたに出会う あなたを愛する
愛の奇跡を繰り返す 真っ白なキャンバスに
隣に寄り添って手を繋いで歩く
ラ〜ラララ〜 ラ〜ラララ〜
空を見上げてごらん 蒼い蒼い青空があるから
涙を零しそうな日には ほら空を見上げてごらん
愛の奇跡を描こう 真っ白なキャンバスにゼロから
何度でも何度でも何度でも
あなたに出会う あなたを愛する
あなたの魂の音色は心に刻まれている
ルールルル〜 魂の輪郭まで〜
出合って良かったよ 愛し合えて良かったよ
後悔はしていないから こんなにたくさんの愛をくれたあなた
何度でも何度でも何度でも
またきっと 世界の何処かで出会うから
いつかいつかきっときっと この世界の何処かで巡り合う
それまで少しだけ さようなら これは終わりの言葉じゃない
これは始まりの呪文 さようなら また愛し合うために
私たちは アダムとイヴのように エデンを抜け出す
ロストエデン さぁ どうやって道を歩いていこうか
これは始まりの言葉 これは始まりの呪文
愛しているとあなたに伝えるための コトノハ
サヨウナラ コノ世界デ イツカキット
らーらららら らーらららら
青空を見上げる。二人で。
歩いていこう君と、いつまでもどこまで
愛しているよ
あの人を愛したままでも君は許してくれる
あの人を愛したまま、僕は君を愛する
君と一緒に、歩いていこう
まだまだ、愛は終わらない
LOVE AGAIN
いつかきっと
さよならは、始まりの呪文。
いつかきっと
だから、もう泣かない
君と愛しあおう
笑顔で、そして唄を歌おう
らーらららら
エメラルドの光は、今日も世界を暖かく包んでいる
愛しているっていう言葉 ちゃんとあなたに伝わっていた
ラブファントム 私はもう愛の道化師ではない
愛する人と一緒に寄り添い合う 手を繋ぐ
私は世界の何処かで、いつか もう一人の愛する人と巡り合う
いつか、きっと それは遠い遠い未来
だから、安心して君と愛し合い 笑顔を零す
泣かないで それがあなたの願いでもあるから
ラブファントムU The End
Presented by MAsaya Touha
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途中で下痢(おい)したりもうつらかったー。
でも、後半はもう書いてて、ストーリーの大枠は今後の予定の告知であげたとおりになったのですが、やっぱり冬葉の小説はこうなる。
痛い、痛い。哀しい。でも愛している。
そんな、愛が好き。打ってて、泣きまくった。
鼻水たれた。
ラブファントム1、ユダの続きになりますが、きっと三つの中で一番切なくて一番いいできになったと思う。
最後は、エメラルドの光で消えていく。
きっと、ニールの光は瞳の色のエメラルドだと思う。
うちの刹ティエが大好きな方へ。そして黒リジェネが好きなタチバナ様へ捧ぐ(ほんとに黒いよ、リジェネ、黒すぎて悪役だよ。しかもニルティエだけど、刹ティエだよごめんなさい)
LOVE AGAIN いつかこの世界で、また会おう(BY ニール)