世界が終わっても番外編「双子の誕生日」







日付がかわる11時。
ライルとニールは、家族に黙ってこっそり家を出る。
そして、ニールの家にある庭のテーブルと椅子に座る。
「兄さん、誕生日おめでとう」
「ライル、誕生日おめでとう」

「ははは、兄さんほんと変わらないね。若いままだ。おれなんて、もう三十台だ」
「ライルだって変わらない。二十台半ばに見える」
「遺伝子のせいかな。俺らの家系は若くみられがちだから」
「そうだな」
「ワイン、アニューが買ってきてくれたんだ。銘柄もので味もいいよ。飲むかい?」
「ああ。なぜか、おれがグラスを持ってるんだよな。リジェネとティエリアで内緒でビール買ってきたんだ。飲むか?
「勿論」

二人は、まずはワインで乾杯して中身を仰ぐ。
「俺からの誕生日プレゼント。通販で手に入れた対のジャボテンダー柄マグカップ」
「お、いいね。ティエリアが喜ぶ」
「ティエリアのジャボテンダー好きは、病気だからな」
「そういうなよ」
「俺も、一度はティエリアを愛したからな。幸せにやってるかい?」
「勿論。誰が、ティエリアを不幸になんかするかよ。そういうライルこそ、アニューとうまくいってるか?」
「順調に決まってるだろ。あと二ヶ月で子供が生れるんだ。ああ、楽しみだ」
「名前はもう決まったのか?」
「ああ。お互いの名前から文字をとって、女の子ならライア、男の子ならアイル」
「いい名前だな」
今度は、ニールが持ってきたビールをグラスに注いで乾杯する。
「これ、俺からの誕生日。手編みのセーター、お揃いで2着」
「兄さんは、変わらず家庭科が得意だな」
「まぁ人生いろいろあったからなぁ」
「ほんと、いろいろあったよなぁ」

「むさくるしい男ども。僕も混ぜたまえ」
「リジェネ・・・」
「どうした、眠れないのか?」
「ティエリアと普段いると、アルコール禁止されるんだよ。僕はお酒大好きなんだよね。だから、この機会を待っていた。流石僕だ。予想は当たっていた」
テーブルの上におかれたリジェネのグラスに、ワインが注がれる。
リジェネは、ゆっくりと中身をまわして飲んだ。とても上品な飲み方だった。
「ライル。これは、僕とティエリアからの誕生日プレゼント」
「お?」
「アニューの小説のアニメの先行視聴券。関係者以外と抽選であたった人以外、立ち入り禁止。前評判がよくて、ネットオークションでは30万とかの値段がついてる」
「うわ、ありがとう。手に入れるの、苦労しただろ?」
「まさか。僕とティエリアの参加するユニットグループ”アークエンジェロス”の人気を持てば・・・欲しいって雑誌で発言したら、雑誌の編集長からもらった」
あっけなく、事実を口にするリジェネ。
「まぁ、それでも人気でるまで苦労しただろ?」
「まさか。ユニットくんで一曲目がミリオンセラーになって、中世的な美貌の少年6人のアイドルグループとして大々的に売り出されて、アルバムなんて初で300万枚突破。ティエリアの綺麗な声が僕の唄のあとを追うように歌ってるし、ティエリアだけの唄も何曲か収録されてて。ティエリアのアルバムはそれは一千万枚を世界中で突破してるから・・・あっという間に売れた」
本当に、あっという間に売れたのだろう。

「まぁ、今日はせっかくだし。リジェネもべろべろになるまで飲んでけ」

「勿論そのつもりだよ。あと、これもう一つのプレゼント。スイスに1週間の旅・・・・アニュー、家事と小説執筆に追われて忙しそうだし。頃合みて、二人で旅行に出かけたら」
「うわ・・・リジェネって、ニールの話ではすっごい性格が曲がった子ってきいてたけど、案外優しいな」
「うわ、ライル!」
「ニール!いい度胸だな!庭に首まで埋めてやる」
「簡便!」

「とりあえず、二人とも誕生日おめでとう」
「「ありがとう」」

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3時。ギブアップ。アニューのいないライアニュと、2期のライアニュな誕生日で2本。マイスターズ誕生日に、ニルティエ、で合計四本。2期で、暗めニルティエ誕生日で5本・・・・。
誕生日だけでこんなにもかかなきゃいかんのか!すでに3本かいたから、合計で8本読みきりで誕生日ネタ。ライアニュ3、ニルティエ3、他1、と他のこれ。明日にまわします。(今日か・・・)