「ライル、誕生日おめでとう」 「ありがとう、アニュー」 「ごめんなさい・・・・ろくなものじゃないけど、これ、誕生日ぷれぜんと。私が作ったのよ?」 包みを渡される。綺麗にラッピングされている。 中身をあけてみると、クッキーだった。 「ありがとう、アニュー。愛してる」 「私もよ、ライル」 「一緒にお茶にしようか」 「ごめんなさいね。口にあうかどうか分からないけど」 「アニューの作ったものなら、たとえ砂糖のかわりに塩が入ってたって食べる」 「失礼ね!いくら私でも、そこまでおっちょこちょいじゃないわ」 ライルは、穏かな表情で二人分紅茶を入れると、一緒にテーブルの席につく。 はい、ライル。 アニューの綺麗な手が、クッキーをつかんでライルの口元にもってきた。 「うん、美味しい」 「良かった」 アニューは心から安堵した様子だった。 「プレゼントは、もう一つあるのよ」 「なんだい?」 「ふふふ。私」 「アニュー」 ライルが、大胆な発言に思わずアニューを抱きしめていた。 「俺は幸せだな。いつまでもアニュー、傍にいてくれ」 「当たり前でしょ。ライルを愛するのは私、アニュー・リターナよ。いつまでも傍にいるわ」 二人はクッキーを食べて、午後の紅茶を楽しむ。 「アニュー。こんなにも、こんなにも愛しているから」 「あら、どうしたのライル」 「なぜか・・・・何処かの世界で、アニューがいない空間があるきがして・・・なんでだろうな。アニューは俺の目の前にちゃんといてくれるのに」 「私はちゃんといるわ。消えたりしないから。魂になったとしても、あなたの傍にあるから。それくらい、愛してるわ、ライル」 「俺もだよ、アニュー」 蒼い薔薇が散っていく。 この世界に存在しない蒼い薔薇が、何処かで。 アニューは、どこまでも綺麗な笑顔を保っていた。 ------------------------------- 君のいない誕生日と対になる形で。 ライアニュ。カテゴリなんですよね。 好きすぎて涙がでます。 |