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ケルヴィムが発進する。
「アニュー」
ノーマルスーツの中には、彼女にあげた忘れな草のブルーサファイアの髪飾りを入れている。
大事な大事なお守りだ。
「アニュー、見ていてくれ。お前の仇をとってみせる」
アニュー。
アニュー。
幸せな記憶が溢れかえる。
もう、どんなに切望しても戻ってこないもの。
アニューの死は受け入れた。ならば、仇を。この手で。
ライルは、戦う。アニューの死で挫折しかけたが、立ち上がった。
誰でもない、アニューへの愛から。
「アニュー。愛している。見守っていてくれ。そして、生き残って見せる。アニューなら、俺がこんな場所で死んだら絶対泣くから。アニューがいつまでも笑顔でいられるように」
操縦桿を握り締める。
月の、裏側へ。
終結した戦力に、呼応するかのように、カタロンの宇宙部隊もきてくれた。
そう、人を導くのは人なのだ。イノベイターなんかじゃない。アロウズなど、どこが正義だというのか。
「おおおおおお!!」
ビームライフルを、敵に照準をあわせて引き金をひく。
世界を、取り戻せ。
そして、生き残るんだ。そして、アイルランドをアニューに見せてあげよう。アイルランドの地に、アニューの墓をつくろう。
世界を取り戻すために、ガンダムマイスターたちは戦う。
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