22話補完小説「二人で明日を」







「マリーと呼びたいなら、そう呼べばいい」

ソーマが、そっけなくそういった。

マリーの人格は消えたわけではないが、復活するかどうかも分からないらしい。

「いいや。ソーマ。アレルヤ・パプティズム、ソーマ・ピーリス、アーチャーアリオス、出ます」

ソーマの存在を、否定してはいけない。

だって、彼女もマリーなんだから。

アレルヤの愛するマリー。ソーマ。

「ソーマ。一緒に、戦おう。そして、生き残ろう」

「当たり前だ。誰が、こんな場所で死ぬか。大佐も、そんなこと望んでいない」

「ソーマ。愛してるよ」

大佐のことで熱くなっていたソーマに、そう囁くと、ソーマは少しだけ頬を紅くさせて、操縦桿を握り締める。

「忘れるな。私に、お前を愛した記憶が、ないわけではないのだから」

「うん」

二人は、共に戦う。

愛する者同士、一緒に。未来を掴むために。

世界を、取り戻せ。最後の戦いへの火蓋はすでに切って落とされた。

生き抜いて、戦いを、最後まで、結末を見守って。

そしてまた、ソーマと、マリーと歩いていこう。

二人で、明日を。