マリナは、宇宙服を着ながら、無重力空間ではしゃぐ子供たちを見守る。 「刹那・・・・・」 いよいよ、戦いも、大詰めなのだろう。 超小型パソコンに、着信があった。 「刹那?」 (白い、花をもらった。マリナだと、見て思った。俺は戦う。世界を取り戻すために。人を導くのは、人だ。そして俺は変わっていく。マリナへ。どうか、唄が聞きたい) 「刹那・・・・」 マリナは、子供たちを抱きしめながら、ラジオでも流れている唄を歌いだす。 なぜか、涙が零れた。 「どうか。生き抜いて、刹那。明日を、あなたたちの手でつかみとって。取り戻して、世界を」 「マリナ様、なんで泣いてるの?」 「マリナ様、マリナ様」 マリナは歌う。刹那に届くようにと。 いつか、白い花を、アザディスタンの故郷に、花畑ができるほどに埋めよう。 刹那と、一緒に。 「愛しているわ。皆、愛している」 マリナの愛は、もはや一人の男性に向けるものをこえて、世界に向ける慈愛へと変わっていた。 それでも、愛は止まらない。 世界を愛する。 人を愛する。 愛は、全てを変える。 |