「ダブルオー、収容完了したですう!メメント・モリ破壊ミッション、これにて終了ですう!」 ミレイナが、スメラギの方をみた。 「了解。このまま、戦闘空域を完全に離脱するわ!」 虚空を漂う機体の残骸を裂け、トレミーが唸る。 トレミーは、アリオスのトランザムの限界時間がきたせいで、何箇所か敵のミサイルをうけていた。 だが、走行に問題はない。 「全員に通達。これにて、衛星兵器破壊ミンションは完全にクリアしました。お疲れ様!」 「お疲れですう」 「お疲れ様」 「お疲れ」 クルーたちが、皆、ミス・スメラギを見た。 その目には、尊敬の光が満ち溢れていた。 「あらなぁに、みんな?」 「スメラギさん、すごいですう。私、痺れちゃいました」 「大げさねぇ。でも、本当にみんなご苦労さま。みんなのお陰で、衛星兵器破壊ミッションは終了したわ」 「スメラギさん、私、本当はもうだめかと思ってました」 フェルトの声が震えていた。 「でも、信じていました。絶対に、ミッションはクリアできるって」 「いい子ね。そうよ、信じる力は、遥かなる高みへと誰もを押しやってくれるわ。信頼がなければ、この作戦はなりたたないわ。刹那も、アレルヤも、ティエリアも、ロックオンも。皆、仲間を信じていたからこそ、この結果を得られたのよ」 「ティエリアさんとロックオンさんの二人の協力攻撃、凄かったですう」 ミレイナが、顔を輝かせた。 「そうね。ティエリアもよくやってくれたけれど、ロックオンは本当にがんばってくれたわ。もしも命中していなかったら、衛星兵器は破壊できず、私たちもおしまいだったわ」 「ロックオンが・・・」 フェルトは、ライルのことを見直していた。 いざとなれば、こんなにも頼りになる存在なのだ。 今度、前に頬を思い切りぶったことを謝ろう。 「限界をこえてまでトランザムをしてくれたアレルヤも、たった一人遊軍として危険をおかして私たちを守ってくれた刹那も、みんな、本当にがんばってくれたわ」 「私、アレルヤたちを迎えにいってきますね」 マリーが、席を立った。 そして、操縦室から出て行く。 「本当に、本当にお疲れ様」 ミス・スメラギの言葉は、ガンダムマイスターたちに向けられたものでもあり、クルーたちに向けられたものでもあり、そして自分自身に向けられたものでもあった。 自分の力を信じていなければ、この作戦は成り立たなかった。 一歩間違えれば、全員が命を失っていた。 賭けたのではない。 そんなことはしない。 信じていたのだ。 皆が、自分の指示した作戦を成し遂げてくれることを。 信頼。 それこそが、戦闘の中で輝くものだ。 信じる力がなければ、誰か一人でも作戦から背いていれば、衛星兵器は破壊できなかった。 まだ、やれる。 まだまだ、がんばれる。 ミス・スメラギは、作戦を遂行しきった、ガンダムマイスターたちを褒めるべく、席を立つのであった。 |