フェルトには白い花の方が似合う







「フェルト」
「なに、刹那」
フェルトは刹那に呼ばれて、近寄ってくる。
フェルトの髪に、刹那は無言で一輪のピンクの花を飾る。
「刹那?」
「俺は、フェルトの誕生日を知らない。だが、フェルトはこの間俺の誕生日を祝ってくれた。せめてもの、礼だ」
フェルトは、笑顔で刹那の手を握ると、三回握手をした。

「あのね、刹那。私、刹那のことが好きよ」
「フェルト・・・・」
「でもね、ティエリアも好きなの。刹那と同じくらいに、ティエリアが。だから、刹那とティエリアが仲良く寄り添って恋人同士のようにいることがとても好きなの。私は我侭だから。二人とも好き」
「それは、別に我侭ではないだろう」
「私ね、愛していた人は・・・・」
刹那が、フェルトの体を優しく抱きこんだ。
「知っている。いわなくていい」
「どうしてだろうね?全然、雰囲気も性格も似ていないのに、あなたに彼を感じるの。ガンダムマイスターとして、リーダーの位置に立っているところが、似てるのかしら」
「俺は、彼から託された。未来を。だから、どこかで似ている部分があるのかもしれない」
「そうね。彼は、ティエリアの恋人だった。そして今、ティエリアの傍に刹那、あなたがいてティエリアを支えている」

フェルトは、ピンクの花を手にとって、見つめる。
「綺麗な花」
「フェルトのほうが綺麗だ」
「刹那・・・・あなた・・・・天然のたらしね」
「そうか?」
「でも、私、あなたになら、たらされてもいいわ。だって好きなんですもの。無論、ティエリアも」
フェルトは、綺麗な笑顔で微笑む。
「刹那、いつまでも今のままでいてね。今のあなたが好きよ」
刹那は変わっていく。
「あなたの瞳、ティエリアと同じように金色に輝いている。でも、あなたの本質は変わらない。どうか、そのままでいてちょうだい」
刹那は、何を思ったのかフェルトを抱き上げた。
「刹那?」
「俺も、フェルトのことは好きだ」
「嬉しい。ありがとう」

友達以上、恋人未満。
二人は、そんな関係。
だって、刹那にはマリナとティエリアがいるから。

フェルトを抱き上げて、刹那はブリーフィングルームに入る。
「刹那?ああ、フェルト。君が楽しみにしていた花が咲いたよ」
ティエリアが、花の世話をしていた。
フェルトがおろされる。
「ほんとだ。綺麗ね」
「僕は、フェルトのほうが綺麗だと思う」
フェルトは笑った。
「いやね。ティエリアまで。天然のたらしなんだから」
「?」
刹那は、微笑む。

ティエリアが、咲いた白い花を一輪つんで、フェルトの髪に飾る。
「君の髪には・・・ピンクよりも、白の方が似合っている。刹那、選択ミスだな」
「そうだな。確かに、白のほうが似合っている」
フェルトは、ティエリアと刹那を一緒に抱きしめた。
「好きよ。お願いだから、今のままでいてね。変わってもいいわ。でも・・・絶対に、死なないで」
「フェルト」
「フェルト・・・・」

フェルトは、泣いていた。

「約束するよ。僕もフェルトが好きだ。絶対に死んだりしない」
「俺もフェルトが好きだ。約束する。死んだりしない」

「ええ」

フェルトは、涙を拭う。
信じよう。彼らの言葉を。

刹那。ねぇ。私、気づいちゃった。
あなたが好きなの。きっと、恋愛感情の好き。
でも、傍にいられるだけでいいから。

フェルトは、刹那とティエリアの午後の紅茶に招かれ、それをきっかけにしばしば二人と一緒に時間を過ごすようになった。

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基本、刹ティエですから〜。
でもフェルトはかわいくて大好き。二人の間に、仲良く入っていけそう。
刹那はきっと天然のたらしだ。ティエリアはフェルトと仲良し設定なのでいいとして。
刹那を好きなフェルト、でも二人の関係は壊さない、そんな好き。
ああ、こういうのもいいな。