愛し合う二人を愛する







「フェルト。一緒に食事しないか」
「え」
刹那に誘われて、フェルトは内心ドキマギしていた。
好きと、はっきりと認識したわけではないが、おぼろけながら異性として好きだと思う相手から言葉をかけられれば、びっくりするものだ。その相手に、もう恋人がいるのなら尚更。
「ティエリアが」
がっかりはしない。むしろとても嬉しい。

だって、フェルトは刹那とティエリアのコンビがとても好きだから。
二人とも、比翼の鳥として、互いになくてはならない存在だという、そんな結びつきがフェルトはとても好きだった。
「行くわ。待っていて」
食堂に入ると、ティエリアがテーブルにつっぷしていた。
フェルトはおかしくてふきだす。
「いやぁね、ティエリアったら」
「ティエリア、起きろ。ここは食堂だ」
刹那が、ティエリアの頭をはたく。
こんな風に眠ってしまったティエリアを起こすには、少々乱暴にしないと深い眠りから起きてくれない。
「う、ぐ・・・あと5時間・・・」
ティエリアは眠ったままだ。

刹那はコップをもってきて、ホワイロメロンソーダを入れて、ティエリアの隣においた。
「おはよう、刹那、フェルト」
しゃっきりと起き上がるティエリア。
ホワイトメロンソーダを飲む。
「朝は、やはりこれに限る」
ティエリアの前には朝食のトレイが置いてあった。隣にも。刹那が、フェルトの分のトレイを持ってきてくれて、
刹那の向かいの席に置いてくれた。
「ありがとう、刹那」
フェルトはトレイを受け取って、三人で仲良く朝食を食べていく。

「あれ、珍しいね。フェルトが刹那たちと一緒に朝食なんて。いつもスメラギさんととってるのに」
アレルヤが、ソーマと一緒に食堂に入ってきた。
「別に、たまにはいいだろう」
刹那が穏かな表情になる。
「ティエリア。またピーマンよけてる・・・」
フェルトが、ティエリアのトレイを見てため息をついた。
「だめよ、好き嫌いは」
「ピーマンは、人の食べ物ではない」
刹那が、無言でティエリアの残したピーマンを食べてしまった。
「刹那があまやかすから、ティエリアはいつまでたっても好き嫌いが直らないのよ、きっと」
「それでも、いいだろう。ティエリアはもともとゼリー食しか食べなかった。生物の形をした食べ物も。最近は残すこともめっきりなくなった。いい傾向だ。無理に食べさせようとは、俺は思わない」
「刹那は優しいのね」
フェルトは、自分のトレイを見て、そこにグリーンピースがあることに気づき、固まった。
「グ、グリーンピース・・・・」

笑顔で会話しながら、気づかれないようによけていく。
「フェルトは、グリーンピースが昔から嫌いだったな」
ティエリアが、声もなく笑う。
「だって、これ、人間の食べ物じゃない・・・・」
よけたグリーンピースを、刹那がさらって食べてしまった。
「刹那?」
「俺は、食事をまともにとれない子供時代をおくった。残すことはしない」
「ごめんなさい。ありがとう。ティエリアに言っておきながら、私もだめね」
「それでいいじゃないか。別に、好き嫌いがあっても」
ティエリアが、少し残っていたフェルトのグリーピースをとって食べてしまう。
「そうね。食べ物には悪いけど」
好き嫌いも個性だ。そう、なにもたくさんあるわけではない。2、3種類のものがだめなだけだ。

「フェルト。最近柔らかくなったな」
刹那が、零す。
「そうかしら?」
「笑顔が多くなった」
「きっと、刹那とティエリアのお陰よ」
「そうか」
「いいことだ」

三人は、仲良く朝食を食べる。

もう失って長かった笑顔。ほら、こんなにも浮かべれる。
二人が大好きだ。
告白なんてしない。だって、そこまで好きという感情ではないと思うから。
ティエリアとどっちが好き?といわれると、迷ってしまうくらいに二人同時に好きなのだ。
欲張りでもいい。むしろ、欲張る。
だって、私の愛したロックオンはもういないのだから。
どうか、願わくば二人がいつまでも仲良く愛し合えるように。
二人の笑顔を見つめていると、私まで笑顔になれる。
愛し合う二人を愛する。
そんな愛も、ありなんじゃないのかな?
フェルトは、コップに残った冷水を飲みながら、そう思うのであった。

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刹ティエフェル。
もう三人仲良く。ここにミレイナも入ってきます、たまに。刹ティエミレフェル。どんなだw
刹那とフェルト、ティエリアとミレイナ。友人以上、恋人未満。
だって基本は刹テイエサイトだから。いや、ロクティエ本命でサブが今ライアニュで、アレソマに刹マリですけど。いやもっといっぱCPあるけど。冬葉はノーマルカップリングが大好きです。