「ティエリアー。風呂わいたぞー」 「はーい」 ロックオンの部屋の風呂がわいた。ちゃんと今日も湯船をはった。 ティエリアの好きな桃の温泉の元を入れる。 ピンクに染まった浴槽。いい匂いが漂ってくる。 ロックオンとティエリアは、仲良く二人でお風呂に入る。 浴槽には、ミニジャボテンダーが浮かんでいた。 「ミニジャボテンダーさん、お母さんはこの前入ったので、今日は僕たちと入りましょう」 ロックオンが、ミニジャボテンダーを作ったときに、布地から中まで耐水性にしたので、プカプカと狭い湯船の中をミニジャボテンダーは浮かんでいる。 「泳ぎ上手いですね。お母さんのジャボテンダーさんは、いつも湯船に入ると沈みます」 そりゃ、水吸って重くなったら沈むよ。 耐水性でも、結局ミニジャボテンダーにロックオンは体を洗われた。 お返しとばかりに、ティエリアも。 ミニジャボテンダーはタオルでついていた水分だけ拭き取る。 楽でいい。 ロックオンは密かにそう思った。 「ジャボテンダーシュート!」 ティエリアが、ミニジャボテンダーを蹴り上げる。それはベッドの隣にある、ジャボテンダー親子専用のソファベッドに華麗にゴールが決まる。 「蹴るな、蹴るな」 ロックオンが笑う。 ティエリアは、ジャボテンダーの足をつかんで、引き寄せるとロックオンにジャボテンダーで体当たりした。 ロックオンは少しよろめいたが、軽いティエリアの体重なので倒れなかった。 「ココア入れてくるわ」 ロックオンが、カップを二つもって食堂に出かける。 ティエリアは、黙ってロックオンを待っていた。 「お帰りなさい」 戻ってきたロックオンは、すぐに湯気のたった二つのカップをテーブルに置くと、バスタオルを取り出してティエリアの髪をふく。 「う?」 「う?じゃないでしょう、お前さんは。風邪ひくぞ。ちゃんと髪ふきなさい」 「あい」 テーブルの上のカップの中身を飲みながら、ティエリアは返事を返す。 ポタポタ雫がたれていた髪は、ロックオンによって綺麗にふかれ、ドライヤーをあてられる。室温が24度に設定されているため、そうそう風邪をひくことはないが、ひやせば風邪をひく可能性もある。 返事がかわいすぎて、ロックオンはドライヤーをあてたティエリアの髪をツインテールに結ってしまった。黒のリボンを巻く。 「かわいい」 「ミニジャボテンダーさんも、お揃いにしてください」 「はいよ」 ミニジャボテンダーに髪はなかったので、そのまま体に器用にロックオンは黒いリボンを巻いてラッピングしているように結んだ。 「おそろいだ」 ティエリアは嬉しそうだ。 「展望台に行きたいです」 「こんな時間にか?」 「はい。お星様がみたいです」 ロックオンとティエリアは、手をつないで、ティエリアは右手にミニジャボテンダーを抱えて展望台にいくと、それぞれ星を見た。 「いつか、満点のお星様の下でロックオンと平和な暮らしをするんです」 氷の花のような美貌は、乙女のように可憐に輝いている。 「また、アイルランドの俺の家に、一緒に泊まりにいこうか?星がよく見えるぞ」 「はい、行きます!ジャボテンダーさん親子も連れて」 「ああ、そうだな」 二人は、星の光を浴びながら、キスをした。 ティエリアは、ミニジャボテンダーの黒のボタンの瞳を隠しながら。 だって、ミニジャボテンダーさんは、まだ子供だから。こういうのは、早いと思ったのだ。 「愛してます」 「愛している」 二人は、手を繋ぎながら部屋に戻って、一緒のベッドで抱き合いながら眠った。 --------------------------------- ミホリ様と八兵衛様へ。 八兵衛様様の「日常で暖かくロクティエ」リクエスト。 そしてジャボテンダーシリーズにw アホアホです。二人の日常は、明るくハッピーにアホアホでかわいくおもしろく。 |