ありがとう







僕を愛してくれてありがとう
僕と仲間になってくれてありがとう
僕と笑いあってくれてありがとう
僕と一緒に泣いてくれてありがとう
僕を信じてくれてありがとう
僕を頼ってくれてありがとう
僕と一緒に長い長い間戦ってくれてありがとう

いろんな出来事があったね 辛いこと 楽しいこと 哀しいこと 

みんながいてくれたから僕は存在できた
全てみんなのお陰
たくさんのありがとうをみんなに
本当に本当にありがとう
心から感謝をしている

「もうすぐ・・・・全てが終わる」
ティエリアは、意識体となってヴェーダの情報の海を漂う。
そこで見つけた、ロックオンの全て。僕の知らないロックオン、知っているロックオン。
意識体となった今、分かる。
魂というものは、とても意識体に近いものだと。
「僕と一緒に、戦ってくれてありがとう。皆、感謝している」
ティエリアは、見えない涙を零す。

その涙を拭ってくれる、光の手。
ああ、この暖かさ。
なんて懐かしい。
「あなたも、一緒に戦っていたんですね」
光の手は、ティエリアの頭を撫でる。
意識体となったティエリアの魂を。
抱きしめられて、ティエリアはまた涙を零した。
「一緒に、ここから刹那の戦いを見守りましょう」
「ああ」
「ロックオン」
「なんだ?」
「おかえり、というのは変でしょうか?」
「いいんじゃないのか」
大きな手で頭を撫でられる。ロックオンは苦笑していた。

「ロックオン。僕を連れていかないで下さい。そして、あなたも消えさせません」
「随分大きくでたな」
「あなたはずっと僕の傍にいてくれた。これからも、いてくれますか」
「ああ、ずっといるよ」
二人は、寄り添い合う。

そして、見守る。
最後の戦いを。

みんなを守れて僕は嬉しい。
そして、またあなたと出会えた。
僕は後悔しない。

異種と人類はすでに遭遇している。異種は、人の姿に似せて時折、人に奇跡をもたらす。
それは、宗教では「天使」と呼ばれるもの。
そう、彼らは異種。人の姿に似せ、翼を生やした高次元生命体。

さぁ、はじまる。
最後の戦いが。