「ロックオン。行くよ」 「ああ」 ティエリアは意識体を飛ばす。 リボンズ・アルマークの元へ 「何故分かり合おうとしない!」 「これは・・・・ティエリア・アーデか」 何度呼びかけても、リボンズ・アルマークは断固としてティエリアの呼びかけに答えない。 「人と分かり合うことをしない限り・・・・未来は・・・」 「そんなもの。神が人と分かり合うはずがない」 「リボンズ・アルマーク・・・・僕たちイノベイドは・・・・」 ティエリアの紫紺の髪が揺れる。 ティエリアの意識体は衣服をまとっていない。半分透けている。 無性としての姿そのままで、その姿に性別を決定づける要素は皆無だ。 ティエリアは敵であるリボンズに語りかける。リボンズはその脳量子波に眉を寄せて傲慢な台詞をはくだけだった。 「君は、愚かだ」 それだけ言うと、ティエリアは刹那の元にたどり着く。 「刹那」 「ティエリアか?」 「分かり合えないというのは、哀しいな。君の手で、僕たちが武力介入して狂ってしまった鎖を断ち切ってくれ」 「了解。待っていろ、全てが終わったらヴェーダごとティエリアを迎えにいく」 ティエリアの意識体は、そこでヴェーダの元に戻った。 「ロックオン。見守りましょう。刹那と、皆の戦いを」 「ああ」 二人は、寄り添い合って、結末の時を待つ。 時は満ちた。 ティエリアは意識体を飛ばし、すでに自分のできることはした。 あとは、仲間に任せる。信頼しているから。信じている。 「祈ろう」 「刹那なら、やるさ」 ロックオンの魂とティエリアの魂は、ヴェーダルームでひっそりと戦いの結末を見守っていた。 |