25話補完小説「巡礼の旅」







「マリー、足大丈夫?」
「大丈夫よ。次の教会で休みましょう」
アレルヤは罪を背負っている。今まで数え切れない人を殺してきた。その罪だ。
もう一度、自分というものを見つけるために、ミス・スメラギに許可をもらってマリーとトレミーを降りた。

巡礼の旅。

マリーと歩く、新しい旅立ち。
巡礼の旅が終わったら、アレルヤはマリーと一緒にまたトレミーに戻るつもりだ。
仲間が、そこにいるから。
彼らは「家族」でもあるのだから。

分かり合うことの大切さ。
それを、巡礼の旅でもう一度見つけたいとアレルヤは思った。

「ああ、分かってるよハレルヤ。大丈夫、こんどはこけたりしないから」
(ほんとかよ。今度こけたら、俺が代わるからな)
「ほんとだってば」
ハレルヤも帰ってきた。

「アレルヤ」
少し先を行ったマリーが手を振っている。
「マリー、待って」
アレルヤは、マリーの隣にくると、しっかりと彼女の手を握り締める。
「ねぇ、マリー。普通の家庭を持ちたい?」
「アレルヤのいるところなら、どこにでもついていくわ。トレミーの皆と別れるのも、私も辛いし。家庭をもつのは、もう数年先でもいいんじゃないかしら?」
「ありがとう、マリー」
アレルヤは、マリーを抱きしめる。

「アレルヤ。愛しているわ」
「僕もマリーを愛しているよ」

「見て、アレルヤ。教会が見えてきたわ」
「本当だ。綺麗な教会だね」
「そうね。さぁ、もう少しよ。がんばって歩きましょう?」
アレルヤとマリーは歩いていく。
二人揃って、明日に向かって。