「マリー、足大丈夫?」 「大丈夫よ。次の教会で休みましょう」 アレルヤは罪を背負っている。今まで数え切れない人を殺してきた。その罪だ。 もう一度、自分というものを見つけるために、ミス・スメラギに許可をもらってマリーとトレミーを降りた。 巡礼の旅。 マリーと歩く、新しい旅立ち。 巡礼の旅が終わったら、アレルヤはマリーと一緒にまたトレミーに戻るつもりだ。 仲間が、そこにいるから。 彼らは「家族」でもあるのだから。 分かり合うことの大切さ。 それを、巡礼の旅でもう一度見つけたいとアレルヤは思った。 「ああ、分かってるよハレルヤ。大丈夫、こんどはこけたりしないから」 (ほんとかよ。今度こけたら、俺が代わるからな) 「ほんとだってば」 ハレルヤも帰ってきた。 「アレルヤ」 少し先を行ったマリーが手を振っている。 「マリー、待って」 アレルヤは、マリーの隣にくると、しっかりと彼女の手を握り締める。 「ねぇ、マリー。普通の家庭を持ちたい?」 「アレルヤのいるところなら、どこにでもついていくわ。トレミーの皆と別れるのも、私も辛いし。家庭をもつのは、もう数年先でもいいんじゃないかしら?」 「ありがとう、マリー」 アレルヤは、マリーを抱きしめる。 「アレルヤ。愛しているわ」 「僕もマリーを愛しているよ」 「見て、アレルヤ。教会が見えてきたわ」 「本当だ。綺麗な教会だね」 「そうね。さぁ、もう少しよ。がんばって歩きましょう?」 アレルヤとマリーは歩いていく。 二人揃って、明日に向かって。 |