「エクシアで、決着をつける」 刹那は、ボロボロになったダブルオーライザーの太陽炉を、宙に漂っていた懐かしいエクシアの機体にのせて、最後の戦いに挑んだ。 同じく、オーガンダムを見つけたリボンズは、それに太陽路をのせてガンダムを起動させる。 リボンズは、勝利を確信していた。 「僕は神そのものだ。たとえ純粋種とはいえ、負けるはずがない」 戦いは、最後にはガンダムに乗っての殴り合いになっていた。 フェルトからもらった白い花は、ダブルオーライザーの機体に穴が開いたときに、宇宙へと吸い込まれていった。 それに手を伸ばしても届かない。 あれは、未来の象徴。 けれど、象徴であって未来ではない。 勝ち取るのだ。 この戦いに勝って。 「俺は負けない」 純粋種として目覚めた刹那。 それを促したリボンズ。 それは運命か、或いは必然か。二人は分かり合うことはできなかった。 互いに、命をかけて、最後の刃をまじえる。 光が、あふれた。 刹那の耳に、どこからかマリナの歌が聞こえてきた。 そう、あの歌のように、世界に平和を。 刹那のヘルメットが粉々に砕ける。 純粋種の力。 そう、まるで刹那の可能性のように。 刹那の体は粒子化し、ダブルオーライザーの機体ごと粒子化したように、刃を受けることなく再びダブルオーライザーのコックピットにいた。予備のヘルメットをすぐに着用し、生命維持は安定ラインとなる。 「勝った、のか」 刹那の瞳は金色に輝いていた。 リボンズ・アルマークは完全に生命活動を停止した。ヴェーダと一体化していないため、また意識体となることもできずに滅びた。 「刹那、刹那!」 トレミーから通信が入る。 「大丈夫だ、無事だ」 「みんな聞いた!?刹那がやったわよ!」 刹那は、真紅に戻った瞳を閉じる。 エクシア。俺のもう一つのガンダム。ありがとう。 そして、刹那は大破したダブルオーライザーごと、ケルヴィム、アリオスと一緒に収容された。 それから数ヶ月。 刹那は、トレミーの窓から、白い花畑を見つめていた。 「白い花。きっと、ここに流れ着いたんだ」 トレミーは、CBとして空を翔る。 「見守ろう。皆で、世界を」 刹那は操舵室の中心に立っていた。 アレルヤは今は巡礼の旅に出ていない。ライルは健在だ。そして。 「僕も、見守る。皆と一緒に」 操舵室に入ってくる、華奢な人影。いつもの制服を着ている。その後ろには、同じ制服をきたシンメトリーを描く少年。 「ティエリア、リジェネ。大丈夫か?」 「大丈夫。意識体の肉体の定着は完全なものとなった。スペアの肉体で生きることは、悩んだんだ。あのまま、ヴェーダと一体化して完全に眠りにつこうかとも思った。だけど、僕も歩きたい。人間として、君たちと明日を」 「ということで、僕はリジェネ・レジェッタ。ガンダムマイスイターになるから、よろしく」 「はぁぁ。全部で5機か?アレルヤの分も含めると。こりゃ忙しい」 イアンは、格納庫に戻ってしまった。修理中のガンダムを、とにかくなんとかしなければならない。ボロボロすぎて、新しく作ったほうがはやいかもしれないが、CBの基地で補給を受けたりしながら、元来あったダブルオーライザー、ケルヴィム、アリオス、セラヴィはなんとか形になった。 「僕のガンダム、実はあるんだよね。隠れて作ってた」 「どこに?」 ティエリアが問いかける。 「月の裏側に、もう一つ隠れた基地がある。そこに。名前は「アーク」だよ」 「聖棺(アーク)・・・アークエンジエルのアークか」 「流石ティエリア。察しが早い」 リジェネは嬉しそうだった。 「それから、君、刹那だっけ。ティエリアは渡さないから」 刹那は、笑っていた。 「リジェネ!」 「さぁ、行こう。世界を廻る旅へ。戦争があれば、また武力介入する」 刹那が、真紅の瞳で前を向く。 「進路固定。このままトレミー全速前進!」 ティエリアが、ミス・スメラギのかわりに指揮をとる。 それは、終わらない物語。 彼らがいる限り、CBは健在だ。 まだまだ、物語は続く。彼らが紡ぎ続けるのだ。 |