25話補完小説「白い花冠を君に」







「刹那!」
無事に戻ってきた刹那に、フェルトは思わず泣いてしまった。
「フェルト。すまない。もらった白い花が、戦闘の際宇宙の彼方へ・・・・」
「そんなこと、どうだっていいの!刹那が無事でいてくれるだけで」
「フェルト」
フェルトに抱きつかれる。
刹那は、優しくフェルトを抱きしめ返した。

「地球に戻ったら、白い花畑を見よう」
「刹那?」
「きっと、白い花はそこで再び咲いている」
「そうね」

トレミーは地球に降りた。
白い花畑が広がる丘に、トレミーは止まる。

刹那は、フェルトの手をとって白い花畑を歩き、器用に花冠を作ると、それをフェルトの頭に飾った。
「似合っている。フェルトには、やはり白い花が似合う」
「ありがとう、刹那。大好きよ」
「俺もフェルトが好きだ」
二人は、花畑の中ではじめてキスをした。

「私、ティエリアに怒られてしまうかしら」
「構わないさ。ティエリアは、今でもニールを一番愛している」
「複雑なのね」
「僕がなんだって?」
「ティエリア。見てたの?」
「しっかりと。フェルト、僕もフェルトが大好きだ。刹那には勿体無いくらいだ」
ティエリアは、触れるだけのキスをフェルトにする。
「ティエリアったら!」
フェルトは紅くなった。

「面白くないんですけどー」
花冠を同じように作ったリジェネが、一人ふてくされていた。