笑顔が似合っているよ







「どうした、フェルト」
「うん・・・・」
フェルトが元気がない。
正式に付き合うことにしだした刹那は、フェルトと一緒の時間を大切にしてくれる。
「何か気になることでもあったのか?」
「うん・・・・」

フェルトはしきりにそれだけ繰り返して、俯いている。
「ああ、フェルトの悩みは」
通りかかったロックオンとティエリアとリジェネ。
ティエリアが口を開こうとして、ロックオンに口を塞がれ、なぜかロックオンの口をリジェネが塞ぐ。
「もがもが」
「もがー」
「ふ、ティエリアにそんな真似するからだよ」

ティエリアとロックオンはもがもが言いながら、互いに手から逃れようとしている。
ロックオンの手はティエリアの口から離れたが、リジェネの手はロックオンの口を塞いだままだ。
「もがああああああ!」
「ばーか、ばーか」
リジェネは、ことあるごとにロックオンをばかにする。

「体重が、増えたの」
決心したように、フェルトがそう零す。
「なんだ、そんなことか」
刹那が苦笑する。
「乙女にとっては大問題よ!」
「大丈夫、すぐに戻るさ。規則正しい生活をしているだろう、フェルトは」
「それはそうだけど」
「笑ってくれ。フェルトには笑顔がとても似合っている」
「刹那」

フェルトと刹那は二人の世界に入ってしまった。
「ほらいくよ、ロックオン、ティエリア」
リジェネが、二人を連れていく。

戦いが終わったトレミーはとても平和だ。
愛する者がそれぞれの隣にいて、誰もが満たされている。
トレミーは地球を廻る。
世界を見守りながら。