ティエリアとリジェネは、家庭科室で待機していたコック長に連絡を入れる。 すぐに、調理された中華料理が屋上に運ばれてきた。 「うちのコック長の料理で簡便して」 「すまない、リジェネ」 刹那が、本当にすまなさそうにリジェネに謝る。 「謝ることないよ、刹那。変態は人類の敵だ!」 「そうだぞ、刹那」 ティエリアとニールが、刹那を励ます。 「ああ・・・・駆逐する。いつか絶対に、完全に駆逐する」 「その調子だぜ、刹那」 ライルが、運ばれてきた中華料理を食べだしていた。 「いつもながらに美味しいな・・・流石アーデ家とリジェネ家が抱えるコック長なだけあるな」 ライルは感心した。 運ばれくる中華調理を、皆でグラハム先生のことなど忘れて食した。 「美味しかったよ。ありがとう、リジェネ、ティエリア」 コック長の料理を久しぶりに食べる、唯一一緒の屋敷に住んでいないアレルヤは、とても満足したようだった。 そのまま、昼休みが終わり、5時間目の授業を受ける。今日はそこまでだった。 皆それぞれ、クラブ活動に入る。 アレルヤはサッカー部のエースストライカーで、ニールとライルもバスケ部のエースだった。刹那の運動神経も高く、刹那も運動クラブのようで何故かガンダム部なる謎なクラブに入っている。ガンダム好きたちが集まるある意味ちょっとオタクなクラブだ。 ティエリアとリジェネも、クラブに入ることにした。 最初はクラブに入る予定はなかったが、大学院を卒業したので、AI開発は自宅で引き受けているため、空き時間ができたのだ。 「ねぇ、リジェネはなんのクラブに入るの?」 体育館で、ニールとライルの活躍を見ていた二人。リジェネが首を振る。 「まだ決めてない。多分、コンピューター部に入ると思う。プログラミングを皆に教えようかと思っている。この学園はコンピューター設備は一流みたいだし。そういうティエリアは?」 「んー。僕は・・・ナイスシュート、ニール!」 ティエリアが、華麗に3Pシュートを決めたニールに声援を投げる。ニールは手を振って、笑顔でそれに答えてくれた。 「ニールと同じバスケ部に入ろうかと思ってる」 「ええ?バスケ?僕の知らないところでニールといちゃつく気だな!」 「あははは、リジェネってばそればっかりだね。そんなに心配ならリジェネもバスケ部に入ればいいのに」 「僕は運動部に入るならテニスの方が好きだ。バスケはあんまり好きじゃない」 「そっか。ナイスシュート、ライル」 「ありがとさん、ティエリア」 ライルがコートを走っていく。 「ティエリア、汗かくの嫌いだったじゃない。やっぱり、ニールがいるせい?」 「うん、まぁ確かに嫌いだったんだけど。でもこの前テニスして、運動部もいいなって思って」 「まぁ、ティエリアの好きなようにするといいよ」 リジェネは、ティエリアの頭を撫でた。 その日のうちに、ティエリアはバスケ部に入部してしまった。 新参者ということで、先輩たちから目をつけられたが、ニールとライルが庇ってくれた。何より、アーデ家のご令嬢が、男子バスケ部に入るということ自体少し無理があって、顧問の先生や監督がもめたのだ。もしもティエリアの身に何か起きれば、顧問や監督の責任になる。ティエリアの両親が、電話でそういったことは一切ないと誓ってくれたので、ティエリアは無事にバスケ部に入ることができた。 一応は女子生徒として在籍しているティエリアは、普通は女子バスケ部であろうが、無性ということもあって、ティエリアは男子バスケ部に入部した。 「これから一緒だね、ニール、ライル」 「ああ、よろしくな」 「兄さん、でれでれしすぎ」 「ライルだって、アニューの前だとでれでれしてるだろ」 「うっ・・・・」 痛いところをつかれて、ライルはバスケボールをティエリアに手渡して、無視することにした。 「新人は、最初は試合になんか出してもらえないんだけどさ。一応はどれだけ戦力になるかってことで、3年VS1,2年の混合で練習試合な」 「僕も出ていいんだ?」 ティエリアは嬉しそうだ。 NEXT |