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ブリーフィングルームに咲いていた白薔薇を、また勝手に刹那が摘んでしまった。
もう慣れてしまったので、花の世話をしているティエリアも、何も言わない。最初はちょっと摘みすぎではないのだろうかと思って注意したのだが、「すまない、以後気をつける」と言った次の日にはまた摘んでいるので、注意するだけ無駄だったりする。
花の行き先なんて、誰もが知っている。
「フェルト」
「あら、刹那」
刹那は、フェルトの髪に白い薔薇を飾った。
「あら、くれるの?」
こくこく。
刹那は無表情で頷いた。
「ありがとう、刹那」
フェルトはとても嬉しそうにしている。
その嬉しそうな姿を見るのが大好きなのだ、刹那は。
「アップルパイ焼いてみたの。食べる?」
「食べる」
「じゃあ、みんなも誘って・・・きゃあ」
刹那はフェルトをみんなの目の前で抱き上げると、そのままフェルトの部屋に向かう。
「刹那?」
「みんなとは、いつでも食べれる。今は、フェルトと一緒にいたい」
「刹那・・・」
フェルトは頬を紅くして、刹那の首に手を回すのだった。
そして、刹那はフェルト手作りのアップルパイを一番最初に食べた後、二人一緒にみんなを誘ってお茶会をするのであった。
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