ジャボテンダー愛好会。 そんなもの、ないようであったりする。刹那とティエリアだ。 通販で始めてジャボテンダーのだきまくらを買った刹那がティエリアに勧めて、ティエリアはそれ以来ジャボテンダー中毒症としてもう救いようがないほどにジャボテンダーが大好きだ。 いつも、寝る時はジャボテンダーと一緒。ニールも勿論一緒。 朝起きてきたティエリアは、いつものようにジャボテンダーを右手に持って、そして大好きなニールと手をつないで食堂にやってきた。 「ねぇ、前から思ってたんだけど、何それ?」 すでに、食堂のティエリアの隣の定位置についていたリジェネがジャボテンダーを指差した。 「僕の親友のジャボテンダーさんです」 「そう。親友なんだ。かわいいね」 なでなで。リジェネはティエリアの頭を撫でる。 「刹那も持っている」 カウンター席に座ったティエリア、ニール、リジェネ。リジェネの隣の席に、いつものようにジャボテンダーはもたせかけられ、そしてテーブルの上には水の入ったコップが置かれている。 「ティエリアはジャボテンダー中毒症だ」 少し離れた席に座っていた刹那がそう指摘した。 「あら、でも刹那がティエリアに勧めんでしょ、ジャボテンダー」 フェルトが笑っている。 朝の和やかなひと時。 ライルとアニューはもう食事をとって談笑しているし、アレルヤとマリーもその中に混じっている。 「ジャボテンダーか。いいね」 その一言で、リジェネは通販でジャボテンダーを購入した。 そのジャボテンダーはティエリア曰く男性だそうで、「ジャボ太郎さん」と名づけられた。 こうして、朝になるとリジェネもティエリアと同じようにジャボテンダーを抱えて食堂に現れる。 密かなるジャボテンダー愛好家たち。 ジャボテンダーはトレミーでとても愛されている。 |