時、遡る「ジャボテンダーさん体操」







ティエリアが、こうまで精神的に幼いのは、過去に迫害を受けた後遺症なのかもしれない。
ドクター・モレノはティエリアの詳しい精神分析をしたが、一部ブラックボックスのように見えない部分がある。そこはどうしても分析不可能だった。
人ではないティエリア。同時に人であるティエリア。
ドクター・モレノは代表自らが推薦した医師である。
ティエリアの体について詳しく、また何かあったときには彼が一番頼りになる。

「ティエリア、ジャボテンダーの傷癒えたぞ」
「本当か。わーい」
ジャボテンダーを受け取ってくるくるまわすティエリア。そして、お約束のように今度は足の部分を掴んでべしべしとドクター・モレノを殴った。
「ありがとう、恩にきる」
「恩にきるなら、殴るのやめてくんない?」
べしべしべしべし。
何度も笑顔でティエリアはドクター・モレノを殴る。

ドクター・モレノは聴診器をティエリアの頭にあてる。
「これは末期だ。末期ジャボテンダー病だ!」
「何!流石に病気はまずい!何か治す方法はないのか?」
「朝にジャボテンダーの歌を歌いながらラジオ体操すると治るぞ。今からでもきくようだ」
「そうか。いくぞ、ロックオン」
ティエリアは、ミニジャボテンダーとジャボテンダーを両方もって、ロックオンの部屋に入る。

「ま、まさか本気でするのか?」
「あなたは、僕がこのまま死んでもいいというのか!」
「いや、よくない」
「じゃあ、ジャボテンダー体操はじめよう。はーい、まずは腕を伸ばしてー」
「腕を伸ばすのか」

ロックオンの部屋から愉快な歌声が聞こえてくる。

は〜いいちにのさんしジャボジャボジャボ
は〜いいちにのさんし針万本
間違っててもマンボウじゃないジャボジャボ
にーにのさんしジャボジャボジャボ
さんにのさんしジャボジャボジャボ
屈伸運動ー ジャーボテンダ〜
大きく腕を広げて〜 ジャボテンダー 腕もげたー
大きく息を吸って〜 ジャボテンダー でも繋がったー

毎日、朝になるとしばらくの間ジャボテンダー体操をするティエリアとロックオン。ロックオンも、もう恥というものを捨てている。

この前、刹那に一人でジャボテンダー運動をしているところを見られた。
刹那は、吹き出した後、逃げ出した。
そうして、トレミーでもジャボテンダー体操が広がった。
そして、さらにネットを通じてCB全体にも繋がった。
おそるべし、ジャボテンダーネットワーク。ジャボテンダー教。
開祖のティエリアは、今日もブンブンとジャボテンダーを振り回す。