俺だけのシンデレラ







「まぁ、何このドレス!素敵」
「オートクチュールだよ、アニュー」
人工宝石まで散りばめられたドレスは、アニューによに似合いそうだ。
「高そう・・・」
「明日の太陽連邦の連中が集うパーティーに、俺とアニューで出席だってさ」
「それは聞いたけど、こんな高そうなドレス・・・」
「着てみてくれ。絶対似合うから」
「分かったわ」
アニューはドレスを持って、別室に向かう。

そして、アニューはドレスを着て現れた。
「なんだか・・・変な感じ。お姫様にでもなった気分」
アニューは若干着心地が悪そうにしている。
「嫌だったか?」
「ううん。こんなの着ても、ライルとつりあわないと思って」
「アニューは世界で最高の女性だよ。俺が保障する」
「まぁ、ライルったら」
「パーティーは0時まで。それが終わったら終了だ」
「へぇ。まるで、シンデレラみたいね。0時になったら、去らなきゃいけないのね」
「俺だけのシンデレラ。どうかその時は、靴ではなくてそのドレスを残していってくれ」
ライルがアニューを抱きしめると、アニューはライルの頬を抓った。
「それじゃあ、私下着姿じゃないの!」
「はははははは」
「ははは、じゃないわよ」

「アニュー、座って。髪結うから」
「うん」
アニューは椅子に座る。
シルクのリボンを口に咥えたライルが、器用にアニューの髪を結って、シルクのリボンでまとめる。

「そうだな、宝石はこれとこれとこれとこれ・・・・」
首飾りや耳飾、頭飾りにブレスレットなど、いろんなものが箱から取り出される。
「うわ、高そう・・・・」
「宝石店から借りてきた。無論、口座番号教えて確認のうえだけど」
死んだ王留美の口座から全額マイスター用のお金は引き出され、個人の口座に振り込まれている。
「いつか、そんなドレスを着て結婚式しようか?」
「嫌よ、こんなごてごてしたドレス。純白の、もっと質素なドレスがいいわ」
「そうだな、アニューは飾り立てなくても最高に美人だから」
「もう、ライルったら」
アニューが照れて、微笑を零す。

「俺だけのシンデレラ」
「私だけの王子様」


「・・・・・・・・・・・ライル、楽しいか?」
「うわああああ兄さん!?ティエリアまで!」
「きゃあああ恥ずかしい!!」
アニューは逃げ出してしまった。ライルは真っ赤になっている。
「その宝石箱に入ってるのに、ティエリア用の宝石も入っているんだ。遅いからとりにきた」
見れば、ティエリアも大人の女性用のドレスを着ている。胸は人工パットで昔の時のようにDカップとドーンときているし、露出度も高い。モデルのような着こなしぶりだ。
髪はそのままで、肩よりも長い程度。ティエリアは戦いが終わって髪を伸ばしはじめた。
長いロングもドレスに似合いそうだが、今回は真紅のドレスではなくブルーのドレスだ。胸元を強調した作りになっている。スリットも入っているし、やはりガーターベルトをしていた。
どうも、ドレスの好みはミス・スメラギのものだけでなく、ニールの好みにも一致しているようだ。
「あなたも笑えませんよ、ニール。僕に、俺だけのお姫様って何度もいったではないか」
「うわ、それ今いうなって」
兄弟して思考は同じようなものらしい。

パーティーには、アレルヤとマリー、刹那とフェルトも出席して豪華絢爛だった。
ミス・スメラギだけが一人トレミーでつまらなさそうに、ミレイナのいれたココアを飲んでいた。ちなみに、ミレイナは父親のイアンの「まだ早い」という一言で不参加になった。

0時の鐘がなる。
「帰ろうか、アニュー」
「ええ、ライル」
現実世界のシンデレラと王子はトレミーに機関する。
ミッションをクリアして。