ドクター・モレノの日常VSティエリア6







何が哀しくて、男二人に無性のかわいこちゃんとスゴロク?
いやそのまえに、ここは神聖な診察室であり、医者であるドクター・モレノは神様だ
鼻からコーラ飲んで、その神様は鼻から出していた。
「うげぶあああああ!!」
限界だったらしい。
「次、僕の番」
気絶した神様を放置して、ティエリアがサイコロを振る。5の数が出て、その分だけティエリアの人形が進む。そのコマには「トレミーを今の格好で一周」と書いてあった。
「おいおい、まじか」
ロックオンがそういって焦ったとたん、ティエリアは風のように颯爽と診察室を飛び出して、トレミーの廊下を走り出す。ちなみに、今の格好はセーラー服。無論そのコマを書いたのはロックオンだ
ロックオンはセーラー服姿のティエリアが見れてウハウハだったが(何故か衣装は全て用意されていた)廊下を走るティエリアの姿は皆に目撃されてしまい、またあらぬ疑いをかけられて、人間性を見えぬところで落としているロックオン、現在24歳。独身、恋人あり、同棲中(同じロックオンの部屋でティエリアは寝起きをともにしている)
ちなみにマッハでティエリアは帰ってきた。汗一つかいていないし、息一つ乱していない。
ティエリアの運動神経は人間の非ではない。体力面や持久力には劣るが、瞬発力が半端ではない。ティエリアの速さにかなう者など、このトレミーにはいないだろう。
「はい、次、ジャボテンダーさんの番」
ティエリアがサイコロをふるう。
ジャボテンダーの人形がすすむ。そこには「愛している人の名を叫ぶ」と書いてあった。
「ジャボテンダーさんが、愛している人は僕だあああああああああああああ!!!」
ティエリアがジャボテンダーを抱きながら叫んだ。
「僕だけが愛しいとジャボテンダーさんは叫んだ!」
いや、叫んだのはティエリアだから
まず、スゴロクにジャボテンダー加えないって。でも加える。それがティエリア。
「次は大将の番だぞ」
復活したドクター・モレノがサイコロをふる。人形を進める。そのコマは「宇宙フグを捕まえてくる」
「密猟だ!!乱獲だ!いざ宇宙フグを捕まえに!!」

ティエリアが書いたコマだ。
いや、宇宙フグなんていませんから。いたらこっちが会いたいわ
「ティエリア、はい立って」
「?」
ロックオンの言葉通り、立ったティエリアを両手で抱き上げてくるくるまわって、二人は診察室のベッドにダイブした。
「はい、次、俺な」
実現不可能なコマが出てくると、ロックオンがティエリアの気をひいてなかったことにする。ここらへん、ティエリアの扱い方は流石恋人というべきか。
だったら、鼻からコーラ飲む、なかったことにできなかったのかこのロックオン、青二才め。やっぱり今度怪我をして治療するときは思い切り染みる薬を塗ってやろう。
ロックオンがサイコロを振る。進んだコマには問題が書いてあった。算数だ。

17+24はいくつ?

答えは簡単だろう。41だ。
こんな問題、小学生だって解ける。

「なんだ、楽勝だな。答えは51だ」
ロックオンは得意げに答えた
ドクター・モレノは息もできないくらいに笑い転げた。
バカだ!ここに本物のバカがいた!ロックオンはバカだとは思っていたが、ここまで脳みそがやばかったなんて。ああ。俺が脳みその診察をしなかったせいだろうか。
あー腹いてぇ。窒息する。
「ブブー、答えは 41。ロックオン、お仕置き」
「おうよ」
お仕置きされるというのに、ロックオンはやけに嬉しそうだ
さっき俺は、ティエリアのお仕置きで目潰しされたぞ。本当に目玉瞑れるかと思った。痛かった。その前のお仕置きは、ビンタだ。ただのビンタと思うなかれ、30回往復ビンタ。しかも烈火の如くの猛スピードと普段はそんな力ないだろって威力で。
おかげでフグみたいに両頬がはれたわい。
「今日の夜、ロックオンはまぐろね!」
「よしきたああああああああ!おっしゃあああああ!マグロになる!全力でまぐろになる!」

ちょ、何そのピンクで嬉しいお仕置き!それお仕置きになってない!見ろ、ロックオン喜びまくりじゃないか!
全力でまぐろになるって宣言してるよおい!
ティエリアは子供な部分を持っているし、そういう方面では疎い方だが、まぐろがなんであるかは理解しているらしい。そうでなければ、ロックオンがここまで喜びはしないだろう。
ええい、このバカップルめが!
ロックオン、あれだな!狙ってただろ!狙ってわざと間違えただろ!この食わせ物めが!

ちなみに、寝所でのまぐろという意味を教えたのは刹那である。




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